PHPとHTMLといったコンピューター言語は、Webサイトの開設やWebアプリケーションの開発によく用いられるものです。ブログやSNSを趣味程度に使っていた状態から一歩進んで、WebデザインやWebプログラミングに挑戦してみたいと思ったとき、こうした言語のことが気になってくる人は多いのではないでしょうか。
エンジニア・デザイナーなどのクリエイティブ職にとって、Webは市場も大きく、重要な領域です。しかし、Webは複雑で、とても奥の深い領域でもあります。そこで今回は、PHPとHTMLという二つの言語についての知識を踏まえ、「Web」という分野の基礎を解説します。
これからWebという領域で作品を作ってみたい、クリエイターの仕事について知りたいと思う人は、ぜひ参考にしてみてください。
- PHPとは?
- PHPの特徴・メリット1:環境構築が楽で、すぐに動かせる
- PHPの特徴・メリット2:ルールに厳密に従わなくても動くことが多い
- PHPの特徴・メリット3:情報が豊富で勉強がしやすい
- PHPの知識だけで表現できるものには限界がある
- HTMLとは?
- HTMLはプログラミング言語ではない
- HTMLでできるのは「静的」な表現のみ
- PHPとHTMLの違いとは
- PHPは静的なHTMLに動的な処理を加えることができる
- PHP とHTMLが合わさってできることの具体例
- 初心者はPHPよりも、まずはHTMLからはじめると学びやすい
- PHPを身につけるとどんな仕事に生かせる?
- 初心者がPHPを学ぶには
- まずは簡単なアイデアで良いので、動くものを作ってみる
- 慣れたら、徐々に記述の仕方にも気を配るようにしてみる
- 【初心者向け】PHPを学べるスクール・オンライン講座
- PHPを学べるスクール
- PHPを学べるオンライン講座
- まずはHTMLから学び、確実にPHPを身につけよう
PHPとは?
PHPとはプログラミング言語の一種で、主にWebサイトの開設やWebアプリケーションの開発など、いわゆるWebプログラミングの領域で広く使われています。他のプログラミング言語と比較しても、PHPはプログラミング初心者にとって勉強もしやすく、広く普及している傾向があります。
例えば、Webデザイナーが仕事の幅を広げてキャリアアップしようとプログラミングに挑戦する際にも、PHPは好まれます。
また、PHPは後述のHTMLと組み合わせることで、Webサイトに動きや変化をつけたり情報が自動で更新されるようにしたりと、表現のバリエーションを豊かにしてくれる言語です。なお、このようにアクセス時の状況などで表示される内容が変化するWebページを「動的なページ」といいます。
PHPの特徴・メリット1:環境構築が楽で、すぐに動かせる
通常、プログラミングの学習は、プログラミングを書いた通りに実行できる環境をパソコン内に構築するセットアップから始めます。初心者にとって、こうした作業は難しく挫折しがちですが、PHPは環境構築がとても楽で、PHPに対応したサーバーにファイルをアップロードすればすぐに動作の確認が可能です。
2-2.PHPの特徴・メリット2:ルールに厳密に従わなくても動くことが多い
プログラミング言語には、ソースコードの記述にルールがあります。ルールに厳密に従っていないとまったく動かないものもありますが、PHPは比較的ルールが簡単な言語です。そのため、特に初心者にとっては動かしやすく、学習のモチベーションが維持しやすいという特徴があります。
PHPの特徴・メリット3:情報が豊富で勉強がしやすい
こうした様々なメリットから、PHPを愛用する技術者は世界中に多数います。そのため、Web上にも情報が豊富で、書籍も多数出版されています。
また、Web上ですぐに動作確認ができることも相まって、PHPはとても親しみやすく、勉強しやすいプログラミング言語となっているのです。
PHPの知識だけで表現できるものには限界がある
とはいえ、PHPだけで表現できるものにも限界はあり、Web上で動くプログラミングをする際には、純粋なプログラミング知識だけでは足りません。そのため、Webサイト上に文字や画像など要素を表示するための「作法」を知っておくことも大切です。
これが後述のHTMLであり、PHPは多くの場合、HTMLと組み合わせて活用されます。
HTMLとは?
HTMLとは、Webサイト上に文字や画像などを表示する際に必要となるマークアップ言語であり、「Hyper Text Markup Language(ハイパー・テキスト・マークアップ・ランゲージ)」の略です。
マークアップ言語とは、タグによって各要素に目印(マーク)をつけることにより、ソースコードの構造を表現する、一種のコンピューター言語を指します。
例えば、下記のように記載する内容の前後をタグで囲う(マークする)のが、HTMLの記載方法です。
<p>本文の一段落を意味します。</p>
私たちが普段目にするWebサイトなども、HTMLによって構成されて作り上げられているものなのです。
HTMLはプログラミング言語ではない
HTMLを理解するうえで重要なのは、あくまでHTMLはマークアップ言語であり、プログラミング言語ではないということです。PHPとHTMLはよく組み合わせて使われますが、この点でHTMLはPHPと大きく異なります。
そのため、HTMLを書く作業自体は通常、プログラミングとはいいません。ただし、HTMLのようなマークアップ言語も、PHPのようなプログラミング言語も、「コンピューター言語」という括りには含まれます。
先述のとおり、HTML自体はプログラミング言語ではないので、HTMLを書くことに慣れても、それだけではプログラマーやエンジニアとして必要な実力はつきません。しかし、Web上で閲覧できるホームページを開設したり、Web上で動くアプリケーションを開発したりする際には、HTMLの知識が必要となります。
つまり、Web領域で活躍するプログラマーやエンジニアになるためには、PHPだけでなくHTMLも勉強しておかなければならないのです。
HTMLでできるのは「静的」な表現のみ
HTMLを書く作業がプログラミングでないということは、条件によってWeb上に表示させる内容を変えたりするといった動きのあるコンテンツを、HTMLだけでは表現できないということです。
HTMLはWebサイト上に表示する要素の構造を決めるものなので、HTMLのみで作られたWebサイトは、いつ・どのような状況でアクセスしても、そのソースコード通りに表示されるにすぎません。なお、このようにいつアクセスしても同じ内容が表示されるWebページを「静的なページ」といいます。
つまり、多くのWebサイトにあるような動きや変化のある表現は、PHPのようなプログラミング言語とHTMLを組み合わせて、はじめて表現できるものなのです。
PHPとHTMLの違いとは
PHPとHTMLは、多くの場合セットで活用されます。そのため、これらを勉強する人は、PHPとHTMLをほぼ同時期に勉強する場合が多いのではないでしょうか。
しかし先述のとおり、PHPはプログラミング言語、HTMLはマークアップ言語であるため、両者はまったく種類が異なります。そのため、それぞれができること・できないことの区別は明確に理解しておきましょう。
PHPは静的なHTMLに動的な処理を加えることができる
まずHTMLだけでは、Webサイト上に表示する要素の構造を示すことしかできません。そのため、プログラミングが一切なされていないHTMLのソースコードは、何の動きや変化もない「静的」なコンテンツになります。
しかし、ここにPHPを書き込むことにより、サーバー内のデータベースから必要な情報を取得して、最適な形でWebページに表示させるのです。
PHP とHTMLが合わさってできることの具体例
PHPで書かれたプログラムがサーバー側で動くことにより、例えば、以下のような動きや変化がつけられます。
- 日付や時間の表示を自動で更新し、それに合わせて表示を変える
- 新しい記事から順に自動で一覧化し、つねに最新の記事をトップに表示する
こうした複雑な動きを実現するためにプログラミングが必要となり、その役割を担っているのがPHPなのです。
初心者はPHPよりも、まずはHTMLからはじめると学びやすい
通常、PHPとHTMLはセットで学習をはじめることが多い言語です。
しかし、もし両方ともまだ知識がなく、どちらから手をつければ良いかわからないなら、HTMLから先に学びはじめると良いでしょう。
HTMLは、Webサイトに表示する要素の構造を決めるルールにすぎず、勉強すべき内容に限りがあります。ですから、勉強量もそれほど膨大とはいえません。
一方、PHPはプログラミング言語であるため、やり出せば奥が深く、どこまでも勉強に終わりがないものです。そのため、まずはHTMLがどのようなものかの把握を優先するほうが、モチベーションも維持しやすく効率も良いでしょう。
また、HTMLを学習するなかで、CSSやJavaScriptといった言語にも触れるはずです。
CSSは「Cascading Style Sheets(カスケーディング・スタイル・シート)」の略で、Webサイトの見た目を整えるための言語です。そして、JavaScriptはプログラミング言語の一種で、例えばアラートを表示するなど、さらに多彩な表現を可能とします。
私たちが日常生活で目にする様々なWebサイトは、基本的にHTML、CSS、JavaScript、PHPといった言語の組み合わせで作られています。そのため、HTML、CSS、JavaScriptを先に学んで身につけることで、よりPHPの機能を理解しやすくなるでしょう。
PHPを身につけるとどんな仕事に生かせる?
PHPは利便性も高く、Webデザイナーやマーケター、サーバーサイドのエンジニアなど、Webに関わる様々な業務で利用されています。そのため、PHPを得意とする技術者には一定の社会的需要があります。
現在では自社のWebサイトを持ち、自社でメディアを運営する企業も多く、PHPを用いたWebの実務が各企業にあふれています。企業が開設するWebサイトのなかで、サーバー側で動いているプログラムの大半は、今なおPHPで書かれているものです。
しかし、PHPがそれほどまでに普及しているため、簡単なPHPの読み書きスキルで対応可能な業務であれば、クラウドソーシングなどを用いて外注されるようになってきています。
ですから、今後はPHP単体のスキルに依存するのではなく、他のスキルと組み合わせながらキャリア開発を進めていくことも大切になるでしょう。
初心者がPHPを学ぶには
プログラミングは、コツをつかんで初心者を脱出するまでが苦労するので、勉強でも挫折しやすい傾向があります。そのため、数をこなしてプログラミングに慣れることが大切です。
その際、以下のことを意識しておくと良いでしょう。
まずは簡単なアイデアで良いので、動くものを作ってみる
特に初心者であれば、プログラミングの際、ソースコードを少し書いては動作を確認することを心がけるのがコツです。どんなに簡単な構造であっても、まずは正しく記述し、正しく実行できるものを作れるようにしていきましょう。そうすれば、徐々に複雑なプログラムへと洗練させていくことができます。
また、いきなり複雑なアイデアを表現しようとするのではなく、まずは簡単で正しく動くものを作れるようになることで、プログラミングの楽しさも感じられます。
慣れたら、徐々に記述の仕方にも気を配るようにしてみる
PHPを書くことに慣れ、PHPでできることの概要が把握できたら、徐々に記述方法にも注意を向けてみましょう。
PHPはプログラミング言語のなかでは比較的ルールが緩く、同じ処理でも複数の書き方が可能です。こうした点は、初心者にとっては学習のモチベーションを維持しやすいメリットになります。しかし、チームで大規模開発をする際には読みにくくなり、可読性や保守性が下がるといったデメリットにもなりえます。
Webサイトの構築やWebアプリケーションの開発で使えるプログラミング言語は、PHPの他にも様々なものがあります。こうしたPHPの特性にも理解が深まった頃には、さらに別のプログラミング言語を学習してみると良いでしょう。
【初心者向け】PHPを学べるスクール・オンライン講座
PHPを学べるスクール・オンライン講座は様々なものがありますが、いくつかおすすめを紹介します。
PHPを学べるスクール
PHPを学べるスクールとしては、次の2つがおすすめです。
いずれも、通学だけでなくオンラインでも学ぶことができ、自分のライフスタイルに合った学習方法を選択できる魅力があります。
TECH BOOSTでPHPを学ぶ魅力は、仕事で実際にPHPを使う場面を意識して、実践的な内容が学べることです。PHPのスキルを必要とする現場で、PHPのみで業務が完結することは逆に少なく、様々な周辺知識が必要となります。そうした内容を幅広く網羅しているのが、TECH BOOSTの魅力です。カリキュラムには、例えば以下のような内容が含まれています。
>TECH BOOST
- HTML
- CSS
- Laravel(PHPフレームワーク)
- SQL(データベース)
- jQuery
- Git/GitHub
- オリジナル作品制作スキル
- リーンキャンバスを用いたサービス企画力
- UI/UX
ヒューマンアカデミーでも、PHPを学ぶスクールがあります。ヒューマンアカデミーのスクールは、そのあとの就職活動の支援などが充実している点に定評があります。ヒューマンアカデミーは、PHPの他にもIT系の講座を多数用意しており、本人の希望に合わせた受講ができるようアドバイザーが支援してくれる点などが支持されています。
>ヒューマンアカデミー
PHPを学べるオンライン講座
PHPを学べるオンライン講座として、次の3つを紹介します。
平日は仕事が忙しく夜しか勉強できない、近くに通学できるスクールがないといった人におすすめです。
Schooはプログラミングやデザインだけでなく、様々なスキルを扱うオンライン講座が多数そろっています。オンラインスクールとして国内最大級の規模を誇り、Schooが提供する動画講座のなかにPHPを扱ったものが複数存在しますので、より自分に合っている講座を選びやすいでしょう。
Schooは、オンライン講座による教育支援で高い実績があります。
ライブ講座では、チャットでリアルタイムに質問ができたりするため、自宅でも高いモチベーションをもって勉強することが可能です。
>Schoo
Udemyでは、多数のオンライン教材が提供されており、PHPを学べる動画教材もそろっています。自分のレベルに適した教材を選べば、書籍のみでの学習よりも高い効果が期待できるでしょう。
無料の講座も充実しているので、選択肢の一つには入れておきたいオンライン学習ツールです。
>Udemy
Code Campにも、オンラインでPHPが学べる講座が用意されています。
オンライン講座には珍しく、課題が出されるため課題に取り組み、その課題の提出までを行う必要があります。そのため、高いモチベーションを維持しながら、学習を続けることが可能です。
検索機能など、実務で役立つ実装技術が自宅学習で身につく点は大きな魅力といえます。
>Code Camp
TechAcademyもまた、オンラインでPHPを学べる講座が用意されています。
TechAcademyの提供するオンライン講座の特徴は、短いものならわずか4週間程度で完結するものがある点です。
仕事をしていて忙しい人や、独学ではなかなか続かないといった人のニーズにマッチしていることもあり、支持されています。
>TechAcademy
まずはHTMLから学び、確実にPHPを身につけよう
PHPを学ぶ方法は様々なものがあり、一人一人の状況や、プログラミングを学ぶ目的によっても最適なものが異なります。ここで紹介したスクール・オンライン講座は、PHPの文法の解説だけでなく、それを実際に使い、実務で役立つレベルに仕立てるまでの流れができているものばかりです。
自分のキャリアの理想や目標に向けて、自分に合ったものを選択してみましょう。

【無料】就業支援サービス
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