育児や介護などの理由で時短勤務を希望する人の中には、職場の人に迷惑がられないか気にする人もいるでしょう。フルタイムで働く人たちの中に混じって働くとなると、どうしてもこういった不安や悩みを抱えがちになります。

この記事では時短勤務が迷惑に思われてしまう理由と、迷惑に思われないための方法を紹介します。
実際に時短勤務を利用しているママさんのインタビューも掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

時短勤務とは?

時短勤務とは、育児や介護など、主に家庭の事情によって本来働くべき時間よりも短い時間で働く方法を指します。これは育児・介護休業法という法律で定められたものであり、会社は従業員からの申し出があった場合、時短勤務の措置を行わなければいけません。

時短勤務は単に1日の就業時間を8時間から6時間に短縮することを意味する場合もあれば、フレックスタイムなど日によって柔軟に労働時間を変えられる方法を指すこともあります。

時短勤務についての詳細は、関連記事「時短勤務は給料が減るって本当?押さえておきたい注意点も紹介」をご覧ください。

時短勤務には、短時間労働によって不利益や嫌がらせを受けることがあってはならないといった決まりもあります。こういった決まりがあること自体が、短時間労働者は迷惑に思われたり、嫌がらせを受けやすかったりすることを示唆しているといえるでしょう。

時短勤務が迷惑な目で見られる理由

では時短労働はなぜ迷惑な目で見られてしまうのでしょうか。考えられる原因を3つ紹介します。

不公平感

時短勤務を選択する人を「会社から優遇されている」と感じる人は少なからずいるでしょう。実際には育児や家事など多くの仕事をこなしていても、職場の人から見れば仕事量は周りよりも少なく休みが多い、と不満を感じるようです。

特に小さな子供がいるママは、早退したり休んだりすることはしょっちゅうあります。これを「本当に子供が原因なのだろうか」「パートにすればいいのに」と感じる人がいてもおかしくありません。

自分も休みたいのに、子供がいるママだけ優遇されている。そのように不公平と思いはじめると、迷惑という感情につながっていくのかもしれません。

しわ寄せがくる

業務内容によっては、自分が早く帰ったり休みを取ったりすることで他の誰かにしわ寄せがいくこともあります。他の人も同様に仕事を抱える中、自分の仕事を少しでも回すことがあれば、同僚などから迷惑と思われてしまうこともあるでしょう。

第一生命経済研究所の調査では、企業が思う短時間勤務制度の問題点として「周りの従業員の負担が増え、業務の調整が難しくなる」という回答が7割を超えていました。実際の現場でも課題となっていることがうかがえます。

ここで大切なのは、常に周りの人に配慮し、感謝の気持ちを忘れないことです。業務効率化に努めたり、誰かにしわ寄せがいってしまったと感じる時には一言フォローしたりなど、気遣いを見せられるといいでしょう。

幸せな人への妬み

単に妬まれているという可能性もあります。育児を理由に時短勤務を選択しているというと羨ましく思われるかもしれません。

対策としては、仕事をきっちりこなすだけでなく、日頃からコミュニケーションをとって良好な関係を築いておくことです。子供の話をする際も、自慢に聞こえるものは避けたほうがいいかもしれません。

時短勤務を利用しているママさんへのインタビュー

育休を経て復職したママさんへ、時短勤務について感じる率直な意見をインタビューしました。

Kさん
お子さんは5歳。1年の育休を経て職場に復帰。

Sさん
お子さんは1歳半。1年半の育休から復職したばかり。

ーーどのように時短勤務を利用していますか?

週5日勤務で、9:30~16:30まで。毎日2時間の時短で働いています。
うちの子は幼稚園生で、来年小学校にあがります。勤めてる会社は小学校3年生までは制度を利用できるので、これからも時短勤務を続ける予定です。

友達のママさんが勤めてる会社では時短勤務がなかったり、子どもが3歳までしか利用できなかったりと制限が設けられてることが多いです。
その点今の会社は長い期間時短勤務を利用できるので助かっています。

ーー時短勤務に対して居心地の悪さを感じることはありますか?

子どもが熱を出して保育園から電話がくるなど「急な呼び出し」には、私自身も友達のママさんも居心地の悪さを感じていると口にしています。

ただでさえ短い時間で働いているのに、さらに早退や急なお休みが重なってしまうのは、周りに対して申し訳ない気持ちになってしまいますね。

どうしても休めないときは旦那さんに面倒を見てもらったり、両親や義理の母に来てもらったりして対応しています。

ーー時短勤務を利用するにあたって、仕事の進め方で気を付けていることはありますか?

周りのメンバーには、常に自分の仕事を共有しておくことを心がけています。急なお休みになってしまっても、電話やメールで対応をお願いすれば業務に穴が開くことはありません。
メンバーの協力あってのものですが、そういった体制作りは絶対に必要ですね。

あとはそもそも休まないこと(笑)
シッターに一時的に面倒を頼んだり両親に来てもらうなど、周りに協力してもらうことで穴を空けないように努力しています。

仕事の進め方については、たとえ時短でも8時間分の仕事をしようと心がけています。時短勤務を始めてからは雑談するヒマがなくなりました。「そういえば今日1回もトイレに行ってない」と後から気づくなど、とにかく仕事に集中しています。

私の部署では時短勤務を利用した前例がないんです。だからこそ私の働き方や行動が、今後の基本になると思っています。他のメンバーが制度を利用しやすくなるような模範になるべき、というプレッシャーは感じています。

時短勤務は意外とすんなり利用できる。実は復職の方が大変…。

ーーお二人とも時短勤務を活用してお仕事をされていますが、制度の利用にあたって注意事項はありますか?

時短勤務は会社で決まった制度が用意されていたり、比較的周りも受け入れてくれるので、意外とすんなり利用できます。
大変なのはむしろ復職の方なんです!!

待機児童の問題をニュースでよく耳にしますが、とにかく受け入れてくれる保育園を見つけるのが大変。
復職を目指すママさんは、「0歳から子どもを保育園に預けて仕事に復帰」を想定してると思います。

ただ、保育園が見つからず長い期間育児休暇を取って、やっと預けられたなんてケースもよくあること。
中には高いお金を払って認可外の保育園に入れて復職するなど、金銭的な負担を強いられることもあります。

私も育休期間は長い方でしたが、そもそも復職ができないことがプレッシャーなんです。
メンバー変更や組織体制の変化があると、1~2年ブランクがあるだけで会社に戻っても浦島状態です。

元いた会社に戻るだけなのに、違う会社に転職したように感じることも…。
育休中に会社が代理のメンバーを雇うことでポジションに空きがなければ、元々いた部署に戻れないこともあります。

”ただ、人事権は会社に認められている権利であり、人事異動そのものが禁止されているわけではありません。多くの会社の育児休業規定には、本人の希望や組織の変更等やむを得ない場合に部署および職務の変更があるという復帰規定があるはずです。

(中略)

会社側がルールに沿った人事異動を発令し、本人と十分な話し合いをし、目に見える不利益がない場合は、受け入れざるを得ないでしょう。”
Q.育休明けで職場に復帰したら異動に。拒否はできる? (2/2) :日経DUAL

育休を取る前と全く同じ状態に戻れるわけではないのは、避けることが難しい問題でもあります。

時短勤務を利用してよかったことは「子どもの成長を見守れること」

時短勤務を利用することで周りの目が気になることはもちろんあります。でもそれ以上に「仕事と家庭の両立ができること」は代えがたいメリットだと思います。

子供の成長を見守りながら仕事もできて、家庭がおろそかにならないギリギリを保てる(笑)フレックスタイムが利用できる会社では、時短勤務と併用することでもっと便利になります。

一般的な8時間勤務では保育園のお迎えに間に合わなかったり、残業したら子どもが起きてる時間に帰ることもできません。
しっかり仕事をこなしつつ、子どもとの時間も確保することで成長を見守っていけるのは、時短勤務を利用しているからですね。

ーー育児と仕事に奮闘するママさんお二人とも貴重なご意見ありがとうございました。

迷惑に思われない方法

時短勤務というだけで迷惑に思われてしまう可能性もある中、どのように振る舞えば穏やかに仕事ができるのでしょうか。迷惑に思われないための方法を4つ紹介します。

謙虚な姿勢で取り組む

時短勤務であるからといって恐縮したり、気を使いすぎたりする必要はありませんが、謙虚な態度でいることは大切です。勤務中に話をしてばかりだったり、サボったりしていたら迷惑に思われてしまうのは当然でしょう。

少ない勤務時間の中でも最大限の成果が出せるよう、勤務中は全力で取り組む姿勢が大切です。

時短勤務を当たり前と思わない

時短勤務は法律で定められている労働者の権利です。しかし、これを当たり前だと思い傲慢になっては信用をなくしてしまいます。時短勤務を選択する人とそうでない人の間には、確かに給料の違いはあります。
しかし、そのぶん多くの仕事をこなしたり、長時間会社に拘束されていたりして疲れている人に対して、最低限の気遣いは見せたいところです。

例えば、保育園のお迎えが5時で、4時までの勤務であれば仕事の後に少し時間があります。この時間をどう使うかは自由ですが、遊びに行ったことや趣味に費やしたことを同僚に自慢したら、嫌な気分にさせてしまうかもしれません。

自分の姿を客観視して、「育児や介護は大変なのだから時短勤務は当たり前」となってしまわぬよう、常に謙虚な気持ちでいられることが理想です。

休んだことのフォローをする

早退したり、急な休みをもらったりしたとき、その職場の人に謝罪やお礼の声をかけることも大切です。時短勤務は会社に義務付けられた制度ではありますが、必要のない同僚にとっては無関係な制度という見方もできます。

実際に、現場で働く人とその上の人とで業務体制についてもめることはよくあることです。時短勤務を職場の人全員が快く認めてくれるとは限りません。さらに、育児や介護をしたことがない人にとっては事情もよくわからないため、休みが多いことを不快に思われてしまっても無理はありません。

理解してもらうことは難しくても、早退したり休んだりしたときにはその都度言葉をかけ、申し訳ないという気持ちを伝えておきましょう。

このとき、相手によって言葉を使い分けられるとよりいいでしょう。「ご迷惑をおかけしました」や「助けていただいてありがとうございます」、「次は私がフォローしますので」など、相手によって少しニュアンスを変えたほうが、気持ちも伝わりやすくなります。

普段からのコミュニケーションが大事

コミュニケーションを日頃からとっておくと仕事がスムーズに進むだけでなく、人としての印象もアップします。時短勤務のために業務効率化などの対策をすることも大切ですが、周囲との関係をうまく築いておくと、より時短勤務を受け入れてもらいやすくなります。

同じ時短勤務でも受け入れられやすい人とそうでない人がいるのは、日頃のコミュニケーションがどれだけ取れているかにかかっているといっても過言ではありません。普段から職場環境をよくすることを考え行動してみましょう。

時短勤務に寛容な会社選びも大切

いずれ時短勤務を希望するのであれば、自分の立ち居振る舞いもさることながら、時短勤務に理解のある会社を選ぶこともできます。時短勤務への寛容さは会社によってさまざまです。

会社側は時短勤務を断れないという決まりがあります。ところが、実際には業務が終わらなかったり、周りの視線が気になったりして時間通りに帰れない人が3割以上いるというデータもあるのです。

職場の雰囲気は自分ではどうすることもできないため、働くママや介護に奮闘する人が多い会社を選びましょう。そういった会社は職場の人たちも慣れているため、時短勤務を迷惑がられてしまうことも少なくなります。

時短勤務OKの求人例

時短勤務可能なお仕事の一例をご紹介ましす。

時短勤務をする周りの職員の姿を見ることで、振る舞い方の勉強にもなるでしょう。時短勤務を積極的に受け入れている会社や女性に優しい会社は存在します。入社を希望する段階で、募集要項をよく確認しておくといいでしょう。

時短勤務可能な求人一覧