日々、イラストやデザインのスキルを磨いている美大生。
大学を卒業後には、どのような選択肢があるのか気になっている方もいるでしょう。
美術大学だからといって美術に関係する仕事ばかりではなく、美大生がめざすことができる就職先はさまざまです。

この記事では、現在美大生で就職を検討している方やこれから美大生になる方に向けて、めざすことができる就職先や仕事内容、求められるスキルについて詳しく解説していきます。

美大生の就職先はさまざま

美大生の就職先はさまざま

はじめに、美大生がめざせる就職先を系統別にご紹介していきます。

ファッション・アパレル系

美大では、デザイナー職をめざして学部を選ぶ学生も多く、ファッションやアパレル系は人気の就職先となっています。

【ファッション・アパレル系の主な就職先】

  • ファーストリテイリング(ユニクロ)
  • アシックス
  • BEAMS
  • 青山商事(洋服の青山)
  • ギャップジャパン(GAP)

メディア系

メディア系は映画制作会社をはじめ、ゲーム制作会社やWEBコンテンツの会社と幅広い就職先があります。

【メディア系の主な就職先】

  • NHK
  • スタジオジブリ
  • 任天堂
  • ヤフージャパン
  • 電通

インテリア・建築系

インテリア系も美大生に人気で、デザイン事務所や大手家具メーカーのデザイン部門などが就職先になります。

【インテリア・建築系の主な就職先】

  • ドラフト
  • 資生堂
  • ソニー
  • ダイワハウス
  • コクヨ

公務員・教員

意外かもしれませんが、美術の研究や教育に携わる仕事で、公務員や教員といった就職先もあります。

【公務員・教員系の主な就職先】

  • 美術館
  • 博物館
  • 美術教員(中学・高校)

ファッション・アパレル系での仕事内容、求められるスキル

ファッション・アパレル系での仕事内容、求められるスキル

ファッションやアパレル系デザイナーの仕事内容は、市場の調査から始まり、商品完成後の販売戦略までと幅広いです。

まずは市場でのニーズやトレンドを調査し、需要のある商品コンセプトを企画。その後、コンセプトを元にデザイン画を作成していき、パターン(型紙)の作成と生地の選定を行ったら、実際に商品化するために、生産工場への仕様書を作成してサンプル制作の依頼をします。

そして、できあがったサンプルを確認し、作り直すか本生産するかを判断します。
商品完成後は、どのようにしたら売れるかの戦略を立て、販売価格の設定や素材の調整なども必要に応じて行うことになります。
そのため、商品をデザインするセンスだけでなく、流行をいち早く読み取る力や商品を売るためのマーケティングのスキルも求められるでしょう。

企業の業績は、所属しているデザイナーの力量によっても左右されるといえますので、ファッションやアパレル業界はデザイナーの採用に慎重です。ですが、難易度が高いぶん就職できれば、パリコレなどの有名なファッションショーで実力を発揮する機会も得られるかもしれません。採用にあたっては、カラーコーディネーターやファッションビジネス能力検定などの資格を取得しておくと、デザイン能力判断の指標になるため、就職に有利になります。

日ごろから目にしたものに違和感を持ったり、自分ならこういうデザイン・形にするといったことを無意識にできたりする人は、ファッション・アパレル系デザイナーに向いているでしょう。

メディア系での仕事内容、求められるスキル

業種によって求められることが変わってきますので、ここでは業種ごとの仕事内容と求められるスキルを紹介します。

映像系

アニメーションやテレビ番組、CM、映画などの映像加工・編集を行う仕事です。

現在は、機材のデジタル化やソフトウェアの進化によって、初心者でも簡単に映像の加工・編集ができる時代です。そのため、プロの映像クリエイターには、より高いクオリティや技術が求められます。また、「After Effects」や「Premiere Pro」などの編集ソフトを問題なく操作できるスキルも必要です。

そして、編集スキルだけでなく、芸術センス・音楽センスなども磨いていかなければいけないでしょう。映像は目と耳で楽しむものであるため、たとえ映像がよくてもその映像と音楽があっていなければ台無しになってしまうこともあります。反対に、音楽や効果音などが映像とマッチしていれば、その映像の面白さがさらにアップすることも。
そのため、普段からさまざまな映像作品をよく見ているという方は、映像系クリエイターに向いているといえます。

クリエイターとして経験を積めば、アートディレクターやプロジェクトマネージャーといったポジションも、将来的に望めるでしょう。

ゲーム系

ゲームデザイナーの仕事は、おもにゲームに登場するキャラクターや背景、アイテムなどの図柄をデザインすることですが、ゲームの世界観や物語などの構築を任されることもあります。作品によっては非現実的なデザインや世界観をつくる必要があるため、ゲームやアニメが好きな方には向いている業種でしょう。

Illustrator・Photoshopを使いこなす技術や、場合によってはCG制作のスキルを求められることもあります。

広告系

パンフレットや広告のデザインを行います。また、CMのような規模の大きなプロジェクトを担当することもあり、その場合はフォトグラファーやコピーライターなどと連携してデザイン制作を行うため、コミュニケーション力も求められます。
紙媒体だけでなく、WEBサイトに掲載する広告の作成も行うため、IllustratorやPhotoshopの技術も必要です。

コミュニケーションが得意な方や、相手の問題を解決するのが好きな方に向いている職業だといえるでしょう。

インテリア・建築系での仕事内容、求められるスキル

インテリア・建築系での仕事内容、求められるスキル

インテリアデザイナーは、家具などのデザインをするだけでなく、内装のデザインや企画・設計も行います。仕事内容はファッション・アパレル系と似ていますが、違いは依頼を受けてから仕事が開始されるところです。

内装の仕事を例にみていくと、インテリアデザイナーは取引先の企業や施工主から依頼を受けます。依頼主と打ち合わせを行い、コンセプトや設計図などの希望を聞いてイメージ画を作成。作成したイメージ画を依頼主や建築士に確認してもらい、OKが出るまで聞き込みとイメージ画の作成を繰り返します。

OKが出たら必要な資材などの手配を行いますが、外装工事終了と同時に内装工事に着手することになるため、外装工事が終わるまでにすべての準備を終わらせなければなりません。そして内装工事がはじまったら、職人への指示や状況に応じて設置個所の見直しなども行います。

打ち合わせや職人への指示なども行うため、デザインに関するスキルだけでなく、考えを正確に伝えるスキルが求められます。
また、依頼主が満足するためには、依頼主がイメージしている完成形と実際の内装工事後の状態に乖離がないようにすることが重要です。より、依頼主のイメージに近い状態になっていることで、「想像していた通り」と満足してくれます。
難易度は高いですが、デザイナーにとってのやりがいでもあるでしょう。

インテリアデザイナーは依頼主の求める形を実現させるため、細かいことにもこだわりのある人が向いています。また、現場に一日中いたりすることもあるため、体力に自信のある方も向いているといえるでしょう。

公務員・教員系での仕事内容、求められるスキル

美術館・博物館の学芸員になるか、高校・専門学校での美術教員になるかで仕事内容が違ってきます。
それぞれの仕事内容について見ていきましょう。

美術館・博物館などの学芸員

美術館や博物館では、学芸員として仕事をすることになります。
学芸員になるには、大学で美術館や博物館に関する科目の単位を取得し、学芸員の資格を取らなければいけません。

日本の学芸員は人数が少ないため、仕事の幅が広いうえに作業量が多い職業です。
資料収集や整理・保管、展示などを担当するだけでなく、分析や研究、教育普及活動なども行います。
より専門的な知識が求められるため、大学院でさらに知識を深める必要もあるでしょう。
そのため、新しい知識を学ぶことが好きな方や美術館・博物館が好きな方に向いているといえます。

高校などの美術教員

学校の教員であるため、就職するためには教員免許も必要になります。

美術教員の仕事内容は、生徒に絵画や彫刻・陶芸などの美術作品を制作する技術指導を行うことです。また、授業以外の行事も担当し、写生会や美術館・博物館の見学会などの引率も行います。

最近では、紙媒体での美術作品だけでなく、パソコンを使った電子的なデザイン技術を指導するほか、就職先で必要になるIllustratorやPhotoshopの使い方を教える場合もあるようです。

美術教員になるには、デザインに使用するソフトウェアの知識が必要になるほか、生徒に技術を伝えるためのスキルも求められるため、自分の知識を人に教えることが好きな方が向いている職業でしょう。

美大生の就職先は豊富、めざしたい道を明確に

美大生の就職先はどういった企業があるのか、仕事内容や求められるスキルはなにかということついて解説してきました。

就職先の企業や業種によって、仕事内容と求められるスキルは大きく変わります。
まずは自分がどの道をめざしたいのかを考え、必要な技術や知識を学習していくことが重要です。
美大生として就職先を探している方、これから美大生になる方は希望の職業を目指せるよう、この記事を参考に日々の学習や就職活動を進めていきましょう。