Webエンジニアの採用ニーズの高まりを受け、SIerからWeb業界を目指す方も増えています。

この記事では、クリーク・アンド・リバー社現役の転職エージェントが、Webエンジニアの年収や採用のニーズ、SIerからWeb業界へキャリアチェンジするための秘訣を語ります。

株式会社クリーク・アンド・リバー社 成岡 信享
元エンジニアからキャリアアドバイザーへ転身。AI・IoT・ビックデータなど、昨今話題となっている分野に力を入れている企業を担当することが多く、自身の就業経験を活かして転職支援を行っており、技術に知見のあるアドバイスがエンジニアから好評を得ている。

Webエンジニアの平均年収

――今回は「SierからWebエンジニアを目指す」を大きなテーマとして、Webエンジニアのお仕事事情をエージェント目線でのお話をお伺いしたいと思います。まずはWebエンジニアの年収からお願いします。

平成29年の給与統計によると、システムエンジニアの平均年収は38歳で550万円です。
一方でこの数字はSIerをはじめ、さまざまな業界が含まれています。
Webエンジニアだけでいうとこれ以上に増えている印象があり、スキルの高い人材やCTOであれば1000万円を超える求人も増えてきています。

Webエンジニアの採用ニーズ

――Webエンジニアの採用ニーズは高まっているのでしょうか?

人事からは「とにかくエンジニアが採用できない」「エンジニアってどうやって採用している?」という声が多く、完全に売り手市場ですね。

――売り手市場の理由は何でしょうか。それは今後も続きそうですか?

いつまでと明確には言えませんが、スマートフォンの普及に伴うアプリ開発市場の広がりや、中小企業のIT参入などによりエンジニアのニーズは高まっているので、しばらく売り手市場は続くと思われます。

SIerからWeb業界へのキャリアチェンジ

――Webエンジニアの採用ニーズの高まりを受け、SIerからWeb業界を目指す方も多いと聞いたことがあります。実際に可能なのでしょうか?

結論、可能です。ただし、いくつか条件があるように思えます。

SIerでも、Webサービスに関わった経験のある方は、比較的Web業界への転職は難しくありません。一方で、業務システムにのみ関わっている方の場合はコツが必要です。

まずは言語の違いが大きいです。
SIerは基本的にJavaを使いますが、Web業界はRuby、PHPなどのオープン系が多いので、そもそも使っている言語の違いがキャリアチェンジのハードルになります。
また、業務システムは時間をかけて作るケースが多く、開発工程もウォーターフォール型がほとんどです。Web業界はアジャイル型でサービスをリリースするため、スピード感が求められます。

言語の違い、開発スピードの違いがハードルになります。ですがそれを乗り越えられれば、キャリアチェンジは可能です。

採用に対して求職者のズレが大きい

――SIerもWeb業界へのキャリアチェンジは可能だということがわかりました。ただ、Webエンジニアの採用ニーズは高いはずなのに、企業からは「充分に採用できていない」という声があがるのはなぜでしょうか?

求職者と採用側にズレがあることが一番の原因です。Web業界は技術の進歩が早いので、そのスピードに対応できる人材でないと採用につながらないことが多いです。最新技術をキャッチアップできると感じられる人のニーズが高い傾向にあります。

ですがプログラマー、エンジニア職は比較的忙しく残業も多い仕事のため、目の前にある業務にかかりきりになってしまいがちです。新しい技術を習得する時間を取れないことで採用側の求めているスキルに応えられず選考を突破できないケースが目立ちます。

――最新技術を取り入れられている人ほどニーズあるとのことでしたが、技術はどのようにキャッチアップするべきなのでしょうか?

まずは試しに自分でコードを書いてみる、それぐらいの手軽な方法から初めてみてはいかがでしょうか。技術ブログやQiitaの情報を参考にして、真似して書いて動かしてみるなど。
当たり前ですが、言語も技術もいきなりスペシャリストのように使いこなせるわけではありません。
自ら能動的に情報を探し、それを実践するような小さなスタートを切ることがとても大事です。

また、セミナーやカンファレンスなど技術者向けの勉強会に参加することもオススメします。先述の通りWeb業界は進歩が激しいため、参考書などの情報はすぐに古くなってしまいます。Webサイトの情報であっても、更新が滞っていれば情報として必ずしも最新とは言えません。

現場で活躍しているプロの話を聞くことで、今求められているスキルや技術を学ぶことができます。参加者同士の横のつながりができることで、お互いに情報交換ができるメリットも大きいですね。

Webエンジニアに求められるスキル

Webエンジニアを目指す場合、下記2点は最低限求められるスキルです。
・コードを書いていること
・柔軟に対応できること

Webエンジニアにおいては、コードが書けるか、特にPHP・Java ・Ruby・Pythonなどの開発言語を用いる場合が多く、オープン系言語への素養はみられます。
また、企業によっては環境構築も行うこともあり、サーバー・ネットワーク・AWSをはじめとしたクラウドの知見も広く浅く求められる場合もあります。
開発手法もWeb系の企業だとアジャイルで開発することが多く、スピード感をもって取り組めるかもみられますね。

コードを書いていること、技術に対して柔軟に対応できることは好まれる傾向にあります。

また、繰り返しにはなりますが、常に新しい技術情報へアンテナを張っていることが重要です。
コアスキルを伸ばすことも大事ですが、そこから周辺の技術を応用して、別の言語をチェックしてみる・やってみることで視野を広げる姿勢は好まれます。
エージェントとして企業様からお話を伺っていると、やはりそういった姿勢が求められていることをひしひしと感じます。

キャリアチェジするため、Webエンジニアに求められるアウトプット

採用する側は技術力を証明するものを求めているため「技術スキルを高めるためにどのような取り組みをされていますか?」といった質問をされることも多いです。
自分のスキルを証明するためにも、まずは『GitHub』や『Qiita』、『技術ブログ』を開始すべきだと考えます。

――GitHubはなぜ必要なのでしょうか?
コードの書き方は人によって違います。チームにジョインしたとき、読みやすく管理のしやすいコードを書けるかの判断材料になります。
また、処理のスピードが速い記述をしているか、仕様を守った運用方法を取っているかなど、その人のスキルはコードを見ればある程度わかるからです。
GitHubをオススメする理由は、単純にソース管理ツールとしてよく使われているからです。情報発信ができれば、Qiitaや技術ブログなどツールの違いは問題ではありません。

自分は今、何に興味があってこういった分野を学習し、こんなスキルを身につけている。これが伝わるだけで、企業側からの印象が大きく変わります。

キャリアを客観的に判断するためのエージェント

我々転職エージェントに相談にいらっしゃる方の多くは、「そもそも転職活動がわからない」「職歴書の作り方がわからない」「自分のアピールポイントがわからない」といったお悩みを口にします。

特にご自分では当たり前のようにやっていた仕事が、他社では求められるスキルであることに気づけないケースも多く、非常にもったいないなと感じます。
例えば、グループリーダーとしてソースレビューをした、後輩の指導・育成をした経験は立派なマネジメントスキルです。

エージェントは直接企業に訪問し、現場で求められているスキルや経験をヒアリングしています。その企業独自の採用ニーズをピンポイントで把握しているため、市場価値を第三者の目線から客観的に判断できるのはエージェントに相談いただくメリットだと思います。

エージェントの役割は求人を紹介することではない

アドバイザーに相談しようと思って人材エージェントに足を運んでみると、たくさんの企業を紹介されるイメージを持たれている方も多いと思います。ただ、僕たちクリーク・アンド・リバー社の価値観は少し違っているんです。

お茶を飲みながらフラットに転職市場についてお話しすることも多いですし、会社を移ること・移らないことを天秤にかけ、現職に残ることやフリーランスとして活躍することをおすすめするケースもあります。

一人ひとりの希望を伺って、最適なキャリアプランをアドバイスする。これが本来の人材エージェントの役割だと思います。

――キャリアについて悩んでいる方は、気軽にキャリア相談してみると良いかもしれないですね。本日はありがとうございました。

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