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ケンモチヒデフミ×スタメンKiDS、『パイレーツEP』リリースインタビュー。2年間の成長に寄り添うアルバムに

2018/10/23

ケンモチヒデフミさん(水曜日のカンパネラトラックメーカー)が全楽曲の制作を行う、スタメンKiDSの2ndミニアルバム『パイレーツEP』が10月17日にリリースされました。今作には1stシングル「STAR★MEN SUMMER DAYS!」収録曲の「STAR★MEN SUMMER DAYS!」「スタメン7銃士」、ストリーミング配信された「Dancing on the Ring」の3曲に新曲「スタメンパイレーツ」「上級生ファンク」の2曲を加えた全5曲が収められています。
すでに7月14日からリリース記念イベントがスタートしており、全国を回っている最中。小学校高学年の彼らは、学校の勉強と両立させながら活動しています。小学生男子と仕事をするのはスタメンKiDSが初めてだというケンモチさんと、スタメンKiDSの7人のメンバーのうち、城桧吏さん、長﨑大晟さん、清水在さんに、出会いからクリエイション、新曲についてなどを伺いました。

アルバムリリース、2年での楽曲の変化

2016年にリリースされた1stミニアルバム『てらこやEP』から約2年。江戸時代をテーマとした前回とは趣向を変えて、2ndミニアルバムは“海賊”をテーマにしています。前回は初めてのミニアルバムということもあり、「まずは元気な声が欲しかった。歌は成長すればうまくなるから、今しか出せない元気をみてもらおうと思ったんです」とケンモチさん。しかし2年の時を経て、小学3~4年生だったメンバーは5~6年生になり、大きな変化を見せていたそうです。

スタメンKiDSの3人。左から清水在さん、城桧吏さん、長﨑大晟さん

楽曲の違いや進化について、在くんは「『てらこやEP』は元気いっぱいだったけれど、今回の『パイレーツEP』はちょっとクールでカッコイイ。そしてさわやか」と分析。桧吏くんも「ひとつランクアップして大人になった感じです。曲の雰囲気もすごくカッコよくなっています!」と、大人っぽさを感じさせる新曲に満足げ。ミニアルバムには全5曲が収録されていますが、その中でも『上級生ファンク』は小学校高学年になった彼らの環境にぴったりで、在くんと大晟くんのお気に入りの曲だそうです。変声期を迎えている大晟くんの声に合わせ、低めの声を活かせる楽曲となっています。ケンモチさんは「大人っぽい楽曲になっていることにメンバーが気付いてくれていて嬉しい。僕が上級生だった頃は、自分のことを大人だと思っていたし、子どもっぽいことをやらされていると薄々わかる。だからクラスの友達から見て「カッコイイ!」って言われるような曲にしようと意識しました。ミニアルバムも全体を通して大人感が増しています」と振り返りました。

しかしカッコイイだけに留まらないのが、スタメンKiDSの楽曲。在くんは「大人っぽいだけじゃなくて、面白い。「炭酸飲料ごくごく」とかリズムがいいワードが入っているのがお気に入りです。でもメンバーの大志くんは炭酸飲めない(笑)」と裏話を交えてその魅力を語ります。「上級生だから炭酸飲料飲めるんだぜ、って男の子が粋がる様子は微笑ましいでしょ」というケンモチさんの意見に、彼らの成長を楽しんでいる様子が伺えました。

ケンモチさんにとって、小学生の男の子との仕事は初めて。水曜日のカンパネラのトラックメーカーとして、これまではCharaさん、iriさん、吉田凜音さんなど大人のアーティストへの楽曲提供がほとんどでした。スタメンKiDSに楽曲提供をするにあたり、クリエイティブの手法に違いはあったのでしょうか。

ケンモチヒデフミ×スタメンKiDSの出会い

ケンモチさんとスタメンKiDSの出会いは2年前の『てらこやEP』制作が初めて。きっかけは、プロデューサーからケンモチさんに届いた「小学生の男の子の曲を書いてもらえませんか?」という短いメッセージでした。それまで女性ボーカルのプロデュースばかりしていたケンモチさんは、「面白そう」との理由で引き受けたそうです。以降、スタメンKiDSの楽曲制作はすべてケンモチさんが担当されています。

ケンモチさんとの初仕事について、スタメンKiDSのメンバーは「優しくアドバイスをもらいました」(在)、「すごく褒めてくれる!歌がうまいと言ってくれたので嬉しかったです」(大晟)と振り返ります。特にアドバイスの仕方が印象的なようで、たとえば『てらこや』(1stミニアルバムに収録)では、桧吏くんの担当する「足速い!」という掛け声の練習のために、「足遅い」と何度か発声させ、そのテンポで言うように提案したそうです。楽しくわかりやすいアドバイスが、メンバーの歌唱力UPにも繋がっているのかもしれません。

アーティストの個性を感じる

歌詞を書くにあたっては、事前にメンバー全員にアンケートを取るのだそうです。好きなスポーツ、最近の流行、好きなお菓子……それらを受けて、歌詞の中に「じゃがりこ」や「グミ」などのワードを登場させました。彼らが日常で感じている素直な感想に加え、それぞれの個性を組み合わせた楽曲作りも、アーティストの魅力を引き出すには欠かせません。3人それぞれの個性をケンモチさんは、「大晟は期待の有望株!ボーカル録りする時には彼の調子を見ています。スタメンKiDSの大黒柱です。桧吏には、“ぶっ込ませる役”を任せています。曲中でいきなり「足速い!」とか「やばたにえん!」とかのキラーワードを言うと、楽曲全体が華やぐんですよ。在はいつもクールで冷静にみんなを見ているんだけど、実は2ndミニアルバムまでにボーカルのうまさが飛躍的に成長している。今回、歌がすごくいいので、レコーディングが楽しかった」と説明。メンバー7人全員に注目し、特徴や個性を楽曲に反映しています。

また、収録の合間などでもスタメンKiDSの空気を感じているというケンモチさん。メンバーが数人集まるとワイワイと賑やかになるのに、レコーディングする時に一人で録音室に入ると途端に静かになるそうです。その理由を大晟くんが「誰かと一緒にいると心強いから…」と照れ笑いしながら明かしてくれました。そんな緊張しているみんなを励ますように、メンバーのりきまるくんが突然「どう?」とブースの中に入ってきては笑わせるのがお決まり。そんな普段の彼らの雰囲気も楽曲に活かすことで、等身大のスタメンKiDSの楽曲を作っているのです。

そんな彼らと1st、2ndとミニアルバム制作をしてきて、ケンモチさんは「すごく楽しい!」と笑顔を浮かべます。「2017年に発表された『スタメン7銃士』(1stシングル、2ndミニアルバムに収録)が初披露されたライブの時には、不覚にも泣きそうになりました。歌もダンスも彼らもめちゃくちゃカッコよくて、僕は客席にいたけれどステージの彼らと一緒にガッツポーズをした気分になりましたよ」と振り返ります。その理由について「『てらこやEP』はもう2年前。僕の2年と彼らの2年では体感がおそらく違う。僕にとってはだいぶ前に感じるけれど、きっとスタメンKiDSにとったらあっという間の2年なんだと思う。そういう多感な時期に一緒に曲を作ったり、ライブを見せてもらったり、同じ時間を共有できているなんて幸福な出会いですね」と、日々ものすごいスピードで成長する10代の彼らとの時間を大切にしているからこそ得られる喜びを噛みしめている様子。この2年での彼らは目覚ましい成長を遂げているとケンモチさんも感じていました。「僕はスタメンKiDSの8人目のメンバーなので」とケンモチさんが笑顔を見せると、メンバー3人からは「年齢が(笑)」などの鋭いツッコミも入りつつ、新たなメンバーの加入を歓迎していました。

クリエイターが支えたMV撮影

多くを吸収し、成長を続けるスタメンKiDS。多感な時期の彼らの成長はケンモチさんをはじめ、多くの成熟したクリエイターによって見守られています。『スタメンパイレーツ』のMV撮影でプロフェッショナルの仕事を目の当たりにしての感想を聞いてみると、3人はそれぞれ違うところに着目していることがわかりました。

▼スタメンKiDS「スタメンパイレーツ」MusicVideo – YouTube

MV監督:中島良 http://www.stardust-directors.jp/profile_nakajima.html

ダンス好きの在くんは「カメラマンさんは本当にすごい。カメラはとても高価で重いから慎重に扱わなきゃいけないのに、早く動いていいシーンを撮るのは踊っている僕たちより大変」とクリエイターに感謝を伝えます。桧吏くんは「演出をしている監督さんは、休憩中もカメラマンさんと「こういう風に撮ろう」と相談していて、実際に考えもつかない角度から撮影したりする」と映画出演も豊富だからこその着眼点。MVで楽しそうな笑顔を見せている大晟くんは「美術さんもすごかったなあ。MVに出てきたイカダが頑丈で、乗って遊んでも壊れないし、楽しかった!」と、プロのクリエイションを日々体感しているようでした。

スタメンKiDS、2年間の成長

2年間の成長が感じられる今回のミニアルバム。具体的な成長については、ケンモチさんがあえてアドバイスしなくても、それぞれが歌のポイントを掴んで歌ってくれるようになったそうです。「『てらこやEP』の時は抑揚のつけ方がまだまだという印象もあったんだけど、今回はこちらが何も言ってなくても、サビの前のブリッジは儚げに歌ってサビでドーンと盛り上がったりする。みんながちゃんと曲を歌い込んできてくれたのがわかります。特に、皆ラップがすごく上手くなった。言葉にキレが出て、強く言ってほしいところをアドバイスしなくてもちゃんと強く言ってくれる。わかっているなあと思います」。

3人もいろんな経験を積んで、感覚が成長してきているようです。桧吏くんと大晟くんは、特にファンの方との交流に慣れてきたそうで、デビュー当時はガチガチに緊張していたライブやイベントも今は楽しみながら一人ひとりのファンの方を大切にしたいという気持ちが大きくなってきたと言います。ライブ中でも手を振っているとメッセージを掲げている様子が見え、どうやったら喜んでもらえるかと考える余裕が出てきました。

「みんな、よく練習してきていると感じます。1stミニアルバムの時はまだ「これからやっていくぞ!」という段階だったけれど、この2年でライブやイベントの経験を積んでいるので、僕もすごくやりやすかった。今回は「ちょっとレベルが高いかな」と思いつつ、大晟のハモリを入れてみたんですが、ちゃんとできているので成長を感じました」(ケンモチ)。

スタメンKiDSにとってこの2年間は、元気一杯の小学生中学年から、少し大人っぽい上級生となった時期。その進化を感じられるアルバムになっています。そんな彼らが今ハマっているのが「居酒屋ごっこ」。仕事終わりに居酒屋で注文するお客さんと店員を演じて遊んでいるそうです。大人たちと仕事をし、大人を意識して、大人を見つめて、少しずつ大人の階段を登っていく……そんな彼らの成長がこれからも楽しみです。

在さん「へい、お茶お待ち!」、大晟さん「たこ焼きくださーい」、桧吏さん「たこ焼き一丁、入りましたー!」

インタビュー・テキスト:河野 桃子 撮影:TAKASHI KISHINAMI 編集:CREATIVE VILLAGE編集部

アルバム紹介

スタメンKiDS 2ndミニアルバム『パイレーツEP』

全3種(Type-A/Type-B/Type-C) GKSH-0034~0036

収録曲:
01. スタメン7銃士
02. STAR★MEN SUMMER DAYS!
03. Dancing on the Ring
04. 上級生ファンク
05. スタメンパイレーツ
価 格:¥2,000(税込)
発売日:2018年10月17日(水)
※限定生写真1枚封入

Village Vanguard http://goo.gl/jWAZPS
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スタメンKiDS 初ワンマンライブ決定!! ~小学校6年生卒業パーティー!~

日 程:2019年2月17日(日)
会 場:AKIBAカルチャーズ劇場
▼詳しくはこちら
http://www.starmenkids.com/live.html#20190217

プロフィール

左から清水在さん(スタメンKiDS)、城桧吏さん(同)、長﨑大晟さん(同)、ケンモチヒデフミさん

スタメンKiDS
恵比寿学園男子部、通称「EBiDAN」から生まれた、佐藤大志/清水在/城桧吏/須藤琉偉/財部友吾/長﨑大晟/りきまるの7人による小学生ユニット。
2018年夏にリリースイベント「~今年の夏は“やばたにえん”~」を開催、10月17日に2ndミニアルバム『パイレーツEP』をリリースしたばかり。世界一のエンターテイナーを目指す人気急上昇中スーパーアイドル。
メンバーの城桧吏は、第71回カンヌ国際映画祭 最高賞 パルムドール受賞映画『万引き家族』(監督:是枝裕和)に柴田祥太 役で出演し大きな話題を呼ぶなど、俳優としても活躍中。
公式HP:http://www.starmenkids.com/
Twitter:https://twitter.com/starmen_kids
ケンモチヒデフミ
「水曜日のカンパネラ」のトラックメーカー担当。
『Kenmochi Hidefumi』名義でクラブジャズ系のシーンを中心に活動していたが、2012年に「水曜日のカンパネラ」を始動。それまでのクールなイメージとは一線を画した路線で新境地を開拓した。ユニット活動のほかに、「スタメンKiDS」やChara、iri、吉田凜音などのアーティストへ楽曲提供を行っている。
Twitter:https://twitter.com/h_kenmochi