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推しメンの記念日なので休みます――驚きの福利厚生制度「STYLEプラス」を導入したジークレスト代表・大辻純平さんが語るクリエイターへの思いと決意

『夢王国と眠れる100人の王子様』『茜さすセカイでキミと詠う』など、女性向けゲームアプリでヒット作を生み出しているジークレスト。社員の趣味を応援する独自の福利厚生制度「STYLEプラス」を導入するなど、ゲーム業界でも今注目の企業です。今回は、同社社長の大辻純平さんにインタビューし、「STYLEプラス」導入の経緯、そして将来の展望まで詳しくお話を伺いました。

大辻 純平(おおつじ・じゅんぺい)
株式会社ジークレスト 代表取締役社長
2007年、サイバーエージェントに新卒入社。『ガールフレンド(仮)』『ボーイフレンド(仮)』をはじめとする、数多くのモバイルゲーム、スマートフォンゲームの開発・運用を担当。現在はジークレストの代表取締役社長を務める。

女子ゲーNo.1に向けて

私は2007年にサイバーエージェントへ入社して以来、女性向けゲームの『ボーイフレンド(仮)』等、様々なゲームの開発・運営に関わってきました。ジークレストへは2017年からジョインし、今は代表を務めています。

ジークレストで最も人気のあるゲームが『夢王国と眠れる100人の王子様』です。略して『夢100』と呼んでいます。『夢100』は、夢を奪われて眠りに落ちてしまった王子様を目覚めさせ、彼らとの恋愛を楽しむことのできるパズルRPGです。お陰様で2018年3月にリリース3周年を迎えました。

近年は女性向けゲームが注目されるようになり、急激な市場成長に引っぱられるように『夢100』も大幅にユーザー数が増え、多くの方に遊んでいただけるようになりました。『夢100』に続き、2017年には歴史上の偉人をモチーフとした男子との恋愛が楽しめる『茜さすセカイでキミと詠う』をリリースしました。ジークレストでは今後、女性向けタイトルの開発により注力していく予定です。

そのために、「女子ゲーNo.1(女性向けゲームでNo.1になる)」というスローガンを掲げ、福利厚生制度の充実や、開発体制の強化を行っています。2018年1月から、コーポレートロゴも一新しています。新しいロゴは、愛を込めて女性向けゲームを開発する心や熱い気持ちを炎で表現したデザインになっています。

独自の福利厚生制度「STYLEプラス」

これまでも女性向けゲームに関わってきましたが、女性がキャラクターへ抱く愛情の深さにはいつも驚かされます。王子様が100人いても、運命の出会いは一人だけというファンの方が多く、特定のキャラクターだけ突出して育成が進んでいるというケースもよく見られます。

『夢100』ではキャラクターの育成も重要な要素の一つですが、色々なキャラクターを効率よく育てるという遊び方ではなく、王子様一人ひとりへ深い思い入れがあって、それを原動力としてゲームを熱心にプレイしていただいているのだと思います。運営チームにとって、ファンの皆さんから寄せられる愛情が何よりの励みです。

女性向けゲームでは特に、キャラクターの個性を際立たせるためにグラフィックとシナリオが重要だと考えています。しっかりとしたドラマに仕立てていくために、ジークレストのスタッフはグラフィックなら線一本一本、シナリオなら句読点の位置まで、細部の先端までみっちりと思いを込めて作っています。

ジークレストは最初から女性向けゲームを開発していたわけではなく、元々は競馬やアバターのゲームを運営するゲーム会社でした。当時社内で行われたゲームプランコンテストで「女性向けゲームを作ってみたい」という提案があり、それが現在の『夢100』につながっています。『茜さすセカイでキミと詠う』も原案は当時内定者アルバイトをしていた社員が考えたものです。

ジークレストはゲームやキャラクターに対する深い愛情や情熱を持っているクリエイターが多くいます。私はクリエイターには自分のやりたいこと、作りたいモノを自ら考え、企画していく人であってほしいと考えています。ジークレストはそんなクリエイター達が心から熱狂して開発に打ち込めるゲームをつくっていきたいと思っています。

【ヘルシーサポート】
福利厚生の一つ。サラダやサプリメントが社内に設置してある。

その第一歩として、昨年12月に「STYLEプラス」という新しい福利厚生制度を導入しました。10個の福利厚生のパッケージなのですが、その中でも特徴的なものが3つあります。一つは、24時間医師へ健康相談ができるオンラインサービスの提供、二つ目が女性向け作品のファンイベントやライブなどへの参加費を会社が支給する「女子ゲーイベント参加補助」。三つ目は、応援しているキャラクターや芸能人の記念日に休暇を取得できる「推しメン休暇」です。

ジークレストには現在約200人の社員がいますが、ゲームやアニメ、漫画、映画、音楽といったエンタメコンテンツが好きな人が多いです。仕事の都合でライブに行けないのは社員のモチベーションに大きく関わってきますし、私もその気持ちはよくわかります。

ジークレストはゲームを作る会社ですが、会社で働くことだけがゲーム作りではない、とも思います。ゲーム以外のコンテンツから学ぶことも多いですし、STYLEプラスを活用して色々なエンターテインメントに触れて、体験して、自身の創造力を磨いてほしい。そうやって得た経験はいつか必ずゲーム作りに役立つはずです。

制度を開始して、既に3ヶ月ほど経ちましたが、「推しメン休暇」の利用者はまだ10人ほどです。社内でもっと取得するように奨励しているのですが、皆それぞれ譲れない記念日があるようで、「その日まで楽しみにとっておいてある」と言う社員もいました。社長としてはもっと遠慮せずに活用してくれたら、というのが正直なところですけど、だいぶ喜んでもらえているようです。

自分で考えて、自分から語って、自分で決める

最近のゲーム、特にスマートフォン向けゲームはここ数年で何倍もリッチなものになりました。以前は最短3ヶ月程度だった開発プロジェクトは今や年単位で計画されるようになり、5~6人だったメンバーも10倍近くになるケースは珍しくありません。プロジェクトの規模が大きくなってくると、分業体制が敷かれ、メンバー一人ひとりに専門的で細分化されたタスクが任されるようになります。

しかし、このやり方は気を付けないと一人一人の裁量が小さくなり、各々が自分のルーティーンに沈んでしまうというデメリットがあります。同じプロジェクトに所属しているのに隣の席の人はなにをやっているのかわからない、という事態にもなりかねません。

この問題を解決するために必要なのは自律性だと思います。自分自身で意思決定して行動に移すということが大切です。ジークレストの社員にも「自分で考えて、自分から語って、自分で決める」というチャンスを可能な限りたくさん与えられるようにしたいと思っています。

ジークレストは社員の一言によって大きく進化することができました。「女性向けのゲームを作りたい」と声を挙げてくれた社員がいたから『夢100』が生まれ、会社の方針も大きく変えることができました。ただ、自分から声を挙げて責任を持って動くことは勇気がいることだと思います。まずは、勇気を持って提案してくれたことに対して会社が受け止めることが大事だと思います。

ジークレストには、「妄想プランコンテスト」という社内コンテストがあります。自分の妄想を用紙1枚で発表するというものなのですが、発表する内容は事業やゲームに繋がらなくても全く構いません。作品への愛や作りたいものを自由に語ろうというのが主旨です。コンテストがワイワイ盛り上がっているのを見ると、自分の思っていることをどんどんオープンにしていく文化がしっかり根付いているんだなと、あらためて実感します。

これからのジークレストは、「女子ゲーNo.1(女性向けゲームでNo.1になる)」ことに本気で取り組んでいきます。そのために必要な地盤がようやく出来上がってきました。今後も、長く深く愛されるゲームを自分たちの手で作り上げていきますので、どうか期待していただければと思います。

インタビュー・テキスト:原 孝則(Pick UPs!)/撮影:SYN.product TAKANORI HAYASHI/編集:CREATIVE VILLAGE編集部

企業プロフィール

株式会社ジークレストは、『夢王国と眠れる100人の王子様』『茜さすセカイでキミと詠う』など、女性向け恋愛ゲームアプリでヒット作を生み出しているゲーム企業です。コーポレートロゴは、愛を込めて女性向けゲームを開発する心や熱い気持ちを炎で表現したデザインとなっています。

社名:株式会社ジークレスト
所在地:東京都渋谷区南平台町16番28号
設立年月日:2003年11月4日
代表者:代表取締役社長 大辻 純平
事業内容:スマートフォンアプリの企画・開発・運営、アバターコミュニティサイトの企画・開発・運営
URL:https://www.gcrest.com/