インターネット、とりわけSNSの出現によって、個人の発信方法は格段に増えている。上手に使えば企業顔負けの営業や集客ができる時代だ。

料理研究家のシラサカアサコさんは、”しあわせになれるごはん”をコンセプトにレシピブログ「あさこ食堂」を運営する。最近ではブログのみならず、Twitter、FacebookなどのSNSでも、オリジナルのレシピを投稿。ブログのPVは100万を超え、Facebookページの「いいね!」も1万を超えている。

多くのファンを集める秘訣はどこにあるのだろうか。シラサカさん本人に、SNSの使い分けや運営で心がけていることを聞いた。

■「作ってみた!」「美味しかった!」の声にコメント返し
あさこ食堂は2012年2月から運営されている。コンセプトは変わらず「おいしかったと言ってもらったごはんをまた作れるように」。見ていてほっこりするようなごはん、おかず、常備菜などのレシピが800以上掲載されている。

「ブログを通じて、料理を毎日つくる人も、ときどきつくる人も、楽ちんで楽しく料理ができるようになることに、少しでも役に立てたら嬉しいです」(シラサカさん)

活動は広がり、あさこ食堂のFacebookページのほか、シラサカさん個人のTwitter、Instagramでも日々のレシピを投稿するようになった。「昨日作ってみた!美味しかった!」「あさこ食堂のカオマンガイ風チキンライス作ってみた。超簡単でうまーい!」といった、ファンの声も増えているという。

「使い分け、というほどではないのですが、Twitterではエゴサーチをかけて、レシピを作ってくれた方のツイートをリツイートしたり、Instagramではハッシュタグで検索し、作ってくれた方にコメントを返したりしています」(シラサカさん)

さらにブログもユーザーの声を反映して、あさこ食堂のスマートフォン対応や食材検索、サイトの見やすさ向上など、少しずつ改良を加えているそうだ。その作業をしてくれるのは「夫」だというから、なんとも幸せそうで羨ましい限り。

■LINE@では「自動応答機能」でレシピ提案
そのあさこ食堂、最近では2月から「LINE@」を始めたのだという。実は、ブログへのアクセスは9割がスマートフォンから。ファン層には「TwitterとかFacebookはやってないけどLINEはやっている」という人が多かったそうで、それがLINE@を始めたきっかけのひとつだそう。

「始めてから、友達数はびっくりするくらい増えました。女性が9割以上で、普段ブログなどをあまり見ない主婦層の方にレシピを届けられているのかなと思っています。その日に送ったレシピをさっそく作ってくれる方の投稿を見るのも楽しみです」(シラサカさん)

あさこ食堂のLINE@では、ユーザーが「なす」「鶏肉」とつぶやくと、自動でレシピを応答してくれる機能がある。たとえば冷蔵庫の残り物があるときなどは、材料から逆引きでレシピを提案してくれる嬉しい仕組みだ。

さらに、LINE@のアンケート機能を利用し、ユーザーにあさこ食堂で「追加してほしい機能」を聞いてみたそうだ。結果、一番票を集めた「お気に入りレシピ登録機能の追加」を実装した。ユーザーが「こういう機能がほしい」というリクエストに直で答えられるのは、SNSならではといえるかもしれない。

最近では離乳食メモの「あさこ食堂 for Babies」、ローカロリーで注目を集めている「お麩研究部」などサイトも増え、活動の幅を広げているシラサカさん。「これからも、おいしいをつなげて、笑顔でいっぱいの食卓が増えてほしいと思っています」と話していた。

(2015年04月23日 CNET Japan)