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VILLAGE CAFE

飛躍するクリエイター


第19回 後藤 綾 持道具

2012年2月20日


後藤綾は、フジテレビの人気番組「ピカルの定理」の持道具として奮闘している。ものをつくることが好きで、お笑いが好きで、芸人さんが好きで・・・・・・。後藤は自分の好きなものが全部つまった仕事を手に入れた。大学受験に打ち込む同級生をしりめに、テレビ業界を目指して専門学校へ進みたいという意志を貫いた。その意地と頑張りが、夢を現実にした。
「いまはコントひとつひとつを大事に、本当にひとつひとつが自分の作品だと思って大切にやらせていただいています。街を歩き、雑誌を見て、オシャレなものや奇抜なもの、流行を研究したり、いろんな場面や時代設定についても知ってなきゃいけないし、勉強しないといけないことだらけです。だけど本当に楽しい。好きな道に進むものですね。ずっと好きであこがれていた世界で働けるってすごい喜びです。この幸せは経験しないとわからないです」

■キャラクターと場面を支える持道具
 持道具というのは扱う範囲がとても広くて、くつ、帽子、時計、アクセサリーに、あとコントで使う道具も含め、演者さんが衣装以外で身につけるもの、持つものすべてを担当しています。まず美打ち(美術打合せ)で、コントの設定が書かれた資料をもとにディレクターさんからこういうものがほしいとオーダーをもらいます。さらに台本を読んで、例えばカラオケボックスの設定だとしたら、マラカスが要る、タンバリンもあったほうがいいとか、あらゆる場面を自分で考え準備します。あと衣装さんに衣装の色を聞いて、それに合った色のくつを探したり、店員さんの役だから黒のローファーを履かせようといった感じでコーディネートしそろえていきます。キャラクターの個性を反映しつつ、演者さんに似合わないといけないから難しいんですけど、私がコーディネートしたものを、「このくつ、可愛い!」「このネックレスほしい!」とかって演者さんに言われたりすると、すごくうれしいです。
 持道具はテレビ局の倉庫から選んできたり、買ったり、借りてきたり、ときには自分でつくることもあります。ギャルの女の子の設定のときは、ひと粒ひと粒ラインストーンを自分でつけてデコレーションケイタイやミラーをつくったり。「ピカルの定理」は毎週収録があるので準備期間が数日しかなく、つくりものがあるときは必死です。ピースの又吉さんがやっている(山口)マタエちゃんは、オシャレが大好きな女の子なんだけど、周りからは気持ち悪がられてしまうというキャラクターなんですけど、「マタエちゃんが持っていそうなバッグをつくって」とディレクターさんに言われたときは焦りました。とにかく気持ち悪い、ギラギラブツブツで、キャラクターのカラーに合わせたオレンジと黒のバッグにしようと、ベースとなる黒系のラメのバッグを見つけてきて、それにオレンジ色のビーズをデザインしてつけたんです。それをディレクターさんが気に入ってくれて、ホッとしました。だけど、次はマタエちゃんっぽい風呂敷、ゴルフバッグって要求が上がっていっちゃって。プレッシャーで大変でした。でも期待されるってうれしいですよね。

■あこがれの現場に立てた!
 小さい頃から図工やものをつくることが好きでした。いまの仕事を意識したのは高校生のときです。文化祭で不思議の国のアリスのアトラクションをクラスの出し物でやることになり、私が飾り付けやコーディネートを担当したんです。準備は本当に楽しかったし、しかもその出し物が学校で優勝して、手応えみたいなものを感じました。子供の頃からテレビをよく見ていたし、特にお笑いが大好きで、高校生のときはライブに行ったりもしていたんです。それで、ものをつくる仕事で芸人さんとかかわれる職業につきたいと考え、そういった勉強ができる専門学校に進みたいと思いました。
 私の通っていた高校は進学校で、ほぼ全員大学進学みたいなところがあったので、自分でネットで調べ、日本工学院八王子専門学校クリエイターズカレッジ放送・映画科を見つけました。設備も講師の方も充実しているようだし、体験入学に参加したら、先輩はやさしいし、学校は広くて超きれいだし、すごく気に入りました。でも両親には反対されました。まず東京に行くことに反対され、しかもテレビ業界なんてそんな世界でやっていけるの?って。私は目的もないのに大学に行くのがイヤだったんです。先生や普通の会社員になることを周りはすすめたけど、私は好きなことを仕事にしたかった。それで絶対に頑張るからって両親を説得し、入学を許してもらいました。
 1年生の後期からコースが分かれ、私は美術コースに進みました。美術コースは20人ぐらいで、男の子が多くてみんな大道具志望で、小道具志望は私ぐらいでした。だからみんな頼ってくれたし、学校は本当に楽しかったです。絶対業界に入ろう、みんなで一緒に頑張ってきたし、実際希望者は全員美術会社に入れたんです。とてもいい関係だったし、いまでも大切な仲間です。
 就職はネットで会社を探し、3社目ぐらいで、現在所属している京阪商会と出会い採用されました。就職が決まったときはすごくうれしかったです。両親にもすぐに報告しました。入社後はフジテレビに配属されました。面接で、お笑いが好きでフジテレビでバラエティーがやりたいと言っていたので、考慮してくれたんだと思います。最初はフジテレビに通うだけでも感激でした。本当にずっと見ていたし、あこがれの現場でしたから。

■毎日やりがいと喜びを感じています
 最初は、ADさんから発注が来て、リストアップされたものを持道具部屋から出してきて渡すという倉庫番をやっていました。そこでベテランの先輩に、鑑識さんはこの腕章をつけるんだとか、警官は夏と冬では帽子の種類が違うとか、たくさんの基本的な決まりを教わりました。約1年後に、若手芸人さんと若手スタッフさんでつくるコント番組「1ばんスクラム!!」が始まるということで、そこで初めて現場につかせていただいたんです。
 緊張しましたけど、自分がコーディネートしたものがテレビに映るんだっていううれしさもありました。オンエアを見たときは、「あれも、これも私が用意したヤツ!」って大騒ぎして、エンドロールに自分の名前を見つけたときは、一時停止して写メを撮りまくって母親に送ったり(笑)。もう大感激でした。ずっと見ていたフジテレビのバラエティーで、大好きな芸人さんたちと一緒にコント番組をやれるなんて、本当に夢がかないました。
 私は1年間持道具部屋にいて、番組につかせてもらったのが遅いほうだったんです。ドラマに行った同期はもう何本もドラマを担当しているのに、なんで私はここにいるんだろうって焦ったこともありました。でもその下積みのおかげでいろんな場面に対応できる力をつけさせてもらいました。現場に出られなかったときは辛かったけど、貴重な勉強をさせていただきました。
 いまの私があるのはいろんな人のおかげです。高校生のとき進路を悩んでいる私に「専門学校に行ったほうがいいよ」って言ってくれた人、専門学校で出会った同じ業界目指す仲間にも励まされてきました。現場に入ってからはいろんな人に認められるうれしさを知りました。お給料やお休みの面では厳しいところもあるけれど、本当に毎日やりがいと喜びを感じています。バラエティーはみんなでひとつのキャラクターをつくっていくって感じだから、私もスタッフのひとりとして自分の意見やアイデアをどんどん出していけるんです。個性を発揮できるという点でも私は絶対にバラエティー向きだと思うし、大好きなバラエティーでずっと頑張っていきたいと思っています。

ピカルの定理のビバリとルイ
ピカルの定理
(フジテレビ系にて毎週土曜 夜11時10分から絶賛放送中。4月より水曜夜10時から放送!)
いまをときめく若手芸人たちが出演する大人気バラエティー。
(写真は人気コント「ビバリとルイ」より)




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