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トリプルセブン インタラクティブ 福田 敏也さん

2010年10月4日


「狙いのない漠然としたクリエイティブはない」。
博報堂で様々な広告を手がけ、大病を経て現在は独立し、さまざまな形態の“インタラクティブ”を企画し続ける福田 敏也さんに、これまでの生い立ちやプライベートなことまで、またクリエイターへのアドバイスなど、お話しを伺いました。


■ 広告をつくるって面白いかも
子供の頃、近所の絵画教室で油絵を習っていましたが、その頃は「習ってるから描かなきゃ」という感じで、「絵が好きだから!」っていうわけではありませんでしたね(笑) 高校時代は英語が特別できたので、「英語で飯をくう仕事につこう」と思い、ICU(国際基督教大学)に入りました。

その当時は、広告の仕事はイメージしていませんでした。 大学時代、同時通訳の勉強中に気づいてしまったんですよ。「通訳って人の言葉を伝える技術者で、それそのものは面白いもんじゃない」と。

幼稚園から小学校時代まで通っていた絵画教室の先生が、広告デザインの仕事をしていて、その人に影響を受けたというのも大きかったです。「広告をつくるって面白いかも」と、漠然と感じるものがあり、卒業後にはクリエイティブ志望で博報堂に入社しました。

コピーライターブームの時代でしたが、言葉に自信がなかったのでCMプランナーを志願しました。 そして入社14年後の1996年に、社内で「電脳体」という新しい組織ができることになり、立候補しました。CMとは違う広告をやってみたかったんですね。 ネット上にユニークな広告メディアを企画開発する仕事だったんですが、あらゆることが手探りの時代で、たくさんの失敗を繰り返しながら学習していく毎日でした。その後、本格的にインターネット時代が到来し、仕事はますます忙しくなっていきましたね。


■ 会社という枠組みでない自分
2003年に独立して『トリプルセブン インタラクティブ』を設立。博報堂にいた2000年に、カンヌ国際広告際に審査員として参加した際、世界中からエントリーされるさまざまな優秀な作品を目にしたことが契機となってます。自分のフィールドがあまりに狭い世界だったことに愕然としたんです。

それ以降、会社という枠組みでない福田 敏也さん自分を意識して仕事をし始めたら、たくさんの海外広告賞を受賞するようになった。その自然な流れで、会社員という枠組みを外れて仕事してみようと思うようになったのです。

ここ1、2年は、“制作”の仕事は減っていて、戦略を考えるようなコンサルティング、“モノ”をつくる前段階の仕事が多いですね。 博報堂時代に手がけたものも含まれていますが、以下のようなものを手がけました。

「お年玉くじ付き電子年賀状」「デスクトップ伝言ツール/ペタろう」「WWFバナーキャンペーン」「AU EZweb Portalインターフェース」「森ビル株式会社/オフィシャル、上海還球金融中心」 「BEYES/オンラインショップリニューアル」 「LOFT/ハロウィーン、クリスマス、バレンタイン」「東京都写真美術館/恵比寿映像祭」「ルパン/STEAL JAPAN」などいろいろあります。


■ あと何年がんばれるのか
20代後半から30代前半の頃は、自分でもどうしようもないくらいに忙しくて、毎日のように家に帰れないし眠れないという日々が続いてました。
今になって思えば、そうした時期は確かに、肉体的にも精神的にも大変だけど、そういう極限の時期を経ないと強い“仕事力”は身につかないと思います。そうして鍛えられた仕事脳は、あとで必ず生きてきます。

でも、大きな病気にもなってます。34歳の頃にガンになったんです。それはとても大きな体験でした。
自分の時間概念が「あと何年がんばれるのか」という時間モノサシにかわり、今できることの大切さをより考えるようになりました。


■ 子供でもわかるシンプルさ
クリエイティブは、考え方の戦いです。表面的な面白さよりも、その土台にある視点や考え方がどれだけ骨太でユニークであるかによって勝負が決まります。

「“目的”をしっかりと認識し、課題を整理、伝えるべき土台を固めた上で、表現や体験のジャンプをいかにできるか。」そんな風に毎日考えています。
ジャンプをするときには、わかりやすく強く。子供でもわかるシンプルさを大切にします。


■ プロにはプロしか知らないルール
20年ぐらい、毎週末料理をしています。料理にも、広告と同じようにルールがある。進化のプロセスで常に生み出されてきたルールの概念がある。それが面白い。プロにはプロしか知らないルールがあるので、たまに料理教室にも通っています。

平日はどうしても外食が多くなってしまうので、休みの日は気合いを入れて作ります。 こだわるといっても、高級食材にこだわるわけではありません。

料理をつくる前には、いつも頭をつかって考えてます。その季節の食材とその調理法のユニークな組み合わせを。料理屋さんでたべたうまいものも、参考になりますね。

そしてもし、明日が「最後の一日」だとしたら、家で家族と過ごしたい。最後の食事は、『鯛茶漬け』を作って食べます。


■ 仕事においてのアドバイス
考える仕事をする人は、闇雲に考えていてはいけない。
考え方を考えるクセをつけてほしい。
いい企画を生み出す人は、きっとみんな考え方を考えてる。難しく聞こえる話ですが、若い時期からそのことの意味は、よく考えてほしい。 それを考えるか否かで、30歳以降の人生は大きく違ってきます。

すごい広告クリエイティブに出会ったら、「なんとなくすごいなぁ」で終わらせない。 「すごい!」とか「いい!」と思ったものには、自分の中の感覚が反応しているんです。

なぜ自分に響いたのか、その理由をちゃんと分解すること。そして、そのすごい人たちにできていて、自分にできていないことや見習うべきポイントはどこなのかを考えること。それらをひとつひとつ身につけクリアしていくこと。

また、何かを発信している人たちというのは、なんらかの“狙い”をもって世におくり出しています。その“狙い”は一体何なのかを考えることも大切です。狙いのない漠然としたクリエイティブはないのです。




Yahoo! JAPAN インターネット クリエイティブアワード
 Yahoo! JAPAN Internet Creative Award   福田 敏也氏が審査員を務めた「Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワード」は、11月25日に贈賞式が行われ、最終審査にノミネートされた46作品のなかから、ついにグランプリをはじめとする受賞作品が発表されました。
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福田 敏也さん

福田 敏也

博報堂でCMからネットクリエイティブの世界に移ったのが1995年。2003年に独立、777interactiveを設立。

広告キャンペーンやネット広告企画だけでなく、ネット新規ビジネスコンサルティングや携帯ポータルインターフェース開発、リアル店舗での映像装置開発など、さまざまな形態の「インタラクティブ」を企画・制作してきた。

カンヌ、NY One Show、NY ADC、NY Festival、CLIO、London International、グッドデザイン賞、東京インタラクティブ・アド・アワードなど国内外の受賞多数。

2004年より多摩美術大学、武蔵野美術大学非常勤講師 。