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世界のCGスクールとコンテスト 第一回「SIGGRAPH CAF」

CG関連の方で「海外で学んで海外プロダクションで働いてみたい」
「海外コンテストに入選して、海外の仕事を受けたい」など夢見ている方はいませんか?
このコラムではそういった方へ海外の学校やコンテスト、受賞したアーティストの情報などお伝えできればと考えています。

第1回は「SIGGRAPH CAF」です。いきなり横文字ですが「シーグラフ・コンピュータ・アニメーション・フェスティバル」と読みます。


http://s2015.siggraph.org/submitters/computer-animation-festival

シーグラフというのはアメリカの学会であるACMのCG関連の分科会で1967年に設立しました。正式には「SIGGRAPH=Special Interest Group on Computer GRAPHics」といいます。毎年七月末から八月にアメリカで開催され3万人前後が集まり、研究発表と同時に様々なイベントも行われるお祭りでもあります。

その中で実施されるCGコンテストがCAFといい、全世界から何百という作品が審査されます。その中での優秀作品が「Electronic Theater(エレクトリックシアター)」と呼ばれ、この入選は非常に栄誉あるものとなっています。
http://s2015.siggraph.org/media/siggraph-2015-announces-awards-recipients-42nd-annual-computer-animation-festival
その中のNo.1を「BEST IN SHOW」といい、その作品はアカデミー短編アニメ賞(Academy Award for Animated Short Film)へのエントリーが自動で行われます。いわばCGアニメ分野での「てっぺんをとる!」的な意味があると考えます。

このコンテストの応募は大体その年の3月ごろまでが締め切りです。応募資格は「だれでも」です。学生から何百万ドルかけたハリウッド映画まで同等に審査されます。2008年から「SIGGRAPH ASIA」といってアジア地区でも開催され2009年に横浜、そして今年2015年の12月に神戸でも開催されます。こちらは7月ごろまでが締め切りです。審査はアメリカでもアジアでも変わりはありません。
http://sa2015.siggraph.org/jp/
エレクトリックシアターは数千人がSIGGRAPH内の1つの会場に集まり鑑賞する上映会で、数時間にも及びます。入選した作品を世界の様々な職種や人種の人々が集まり鑑賞します。そこでは率直に観客の拍手の量や喝采に作品の質が現れます。名だたる大手プロダクションでも拍手は少ない場合や、個人作品で爆発的な喝采と拍手の渦という場合もあり、私自身その反応を見たくて毎年行く理由の1つです。

さて今年のシーグラフ2015の「BEST IN SHOW」は「Citius, Altius, Fortius」で意味はラテン語で「より速く,より高く,より強く」というオリンピックの標語です!
https://vimeo.com/100576137
オリンピックの1976年のコマネチ体操選手、2008年のフェルプス水泳選手,1992年のマイケル・ジョーダンらのバスケットボール、2012年のボルト陸上選手の動きを抽象化したアニメーション作品です。過去の入選作品がピクサーやディズニーの鉄板なストーリーやエンターテインメント性を持っていたのが多い中でアート志向が強力なこの作品には非常に驚きを覚えましたし、お金を掛けない個人でもアイディア次第では世界一を目指せるということを再認識しました。
受賞したのはドイツのドルトムントの「Dortmund University of Applied Sciences and Arts」という学校の学生のFelix Deimann氏です。
http://www.fh-dortmund.de/
もちろんドイツ語のサイトですがGoogleChromeの機械翻訳であれば日本語化もできます。

学校名を直訳すれば「ドルトムントの応用科学と芸術の大学」で1971年に設立された古い学校で、学生数は約1万2千人。つまり、理系と文系を両方やっている大学ですが、キャンパスは別れているようで、2つの融合が教育に生かされているようではありません。アート系は写真、フィルム、音楽、オブジェ、インテリア、ITとあり、「ANDY AWARD」という広告映像他、国際映画祭受賞など多数しています。
http://www.fh-dortmund.de/de/fb/2/auszeichnungen
作者のFelix Deimann氏のインタビューが英語ですが、ありました。Cinema4Dをつかってオリンピックのビデオから動きをトレースして作成した苦労が書かれています。
http://fadedandblurred.com/articles/gorgeous-visualizations-athletes-motion-felix-deimann/
彼の主観で体操は「ジョイント」、水泳は「波のトンネル」、バスケットは「ボールと靴の床の接触」陸上は「車の空力テスト」に感じそれをCG化したそうです。
彼のオフィシャルサイトです。彼の過去の作品が見ることができます。http://www.felixdeimann.com/

トヨタレクサスのCMも手掛けているようで、やはり「SIGGRAPH CAF」での入選は国際プロデビューに最も近道のようです。

深野 暁雄(ふかの あきお)

デザイナーでもアーティストでもありません。ただの「CGの先生」です。
20年以上関わった教育現場経験とSIGGRAPHに15年通った情報を織り交ぜた記事をお届けさせていただきます。


http://www.amazon.co.jp/%E6%B7%B1%E9%87%8E-%E6%9A%81%E9%9B%84/e/B0054D2Q6Y/

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