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【後編】映画監督 山田 雅史さん

映画『×ゲーム2』に引き続き、横浜・京都・金沢、さらにはカナダのトロントなど海外でも上映される映画『天使突抜六丁目』の監督である山田 雅史さんに、これまでの生い立ちやクリエイターへのアドバイスなど、お話しを伺いました。今回は、その後編をお届けします。

前編はこちら

 

■ 『天使突抜六丁目』について

イメージ『京都連続/Kyoto Series』というシマフィルムが展開している「京都を舞台として映画を京都で制作すること」、そして「タイトルが京都の地名であること」が条件となる映画のシリーズ企画があり、久々に地元で映画を撮りたいと考えていたので企画を出しました。

京都市の下京区に『天使突抜通』というのがあるのですが、実際にあるのは四丁目までで、六丁目というのは存在しません。それ以前にこの地名を地元の人でも知らない人が多く、実は京都出身の私も知りませんでした(笑)

ストーリーは、会社の倒産により追われる身となった主人公が無我夢中で逃げ回り、虚構の匂いが残る見知らぬ街『天使突抜六丁目』へと迷い込む。そこで奇妙な住人達と出会うのですが、その場所では“馴染めている人”と“馴染めていない人”が交差していて、哀しくも儚い現代の寓話ファンタジーとなっています。

その舞台となるアパートは2ヶ月かけて探しまわって、ギリギリで見つけました。本当にイメージにピッタリのボロボロ具合で(笑)そこに住んでいた人はいなくなっていたのですが、荷物が残された状態の部屋だったので、妙なリアルさが漂っていたかもしれません。

 

■ ロケハンには一番重点をおきます

趣味はロケハンです(笑)。普段の何気ない散歩がロケハンになっています。ここだったらこんな画が撮れそうだなとかいつも考えていて、散歩がてらのロケハンで思わぬアイデアやシナリオが浮かびます。映画を撮るうえでロケハンには一番重点をおきますね。また画はもちろんのこと、音にもこだわっています。

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『天使突抜六丁目』では音作りに半年の期間を費やしました。音と笑いとシュールさで他の人が発想できないような新しい表現を常に目指しています。

映画を撮る事において今でも苦労することは、自分の頭の中で浮かんでいるイメージを言葉にして、役者さんや制作スタッフに伝えることです。絵は最初から最後まで一人で完成させることができるけど、映画はそういうわけにはいきません。学生時代には三脚を立てて撮影しながら自ら演じてみたりもしましたが、一人で映画をつくるのは想像以上に大変でした(笑)

自分の頭の中には完成されたものができあがっているので毎回もどかしい思いです。

 

■ 作品を世に送り出す

数年経ったら周りからも忘れられる。そうならないようにとにかく何があろうとも作品を撮りつづけること。撮ってさえいればそれを見てくれる人がいる。それがたった一人でもいいんです。映画ならば自主映画でも商業映画でも何でもいい。自分の存在が薄れゆく前に、作品を世に送り出す。その活動を続けていくという姿勢が大切だと思います。

前編はこちら


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神奈川、富山、京都、トロントにて追加上映!

『天使突抜六丁目』(てんしつきぬけろくちょうめ)
山田 雅史 監督作品

真鍋 拓  瀬戸 夏実
服部 竜三郎  若松 武史  麿 赤兒
長江 英和  横山 あきお  蘭 妖子
デカルコ・マリィ  桂 雀々
栗塚 旭  柄本 明

製作総指揮:志摩 敏樹
ラインプロデューサー:菊池 正和
脚本:宮本 武史/山田 雅史
撮影:笠 真吾
照明:三谷 拓也
録音:弥栄 裕樹
美術:西村 立志
編集:松野 泉/山田 雅史

会社の倒産により追われる身となった昇。無我夢中で逃げ回り、見知らぬ街『天使突抜六丁目』へと迷い込む。 街では不条理な出来事が見え隠れし、どこか虚構の匂いが残る風景の中、昇は奇妙な住人達との日々を積み重ねていく。

そんなある日、自分の背中から羽が生えてきて、街から飛び立つ事を夢見ている女、みゆきと出逢い、昇はその奔放な魅力に惹きつけられていく。

みゆきとの平穏な日々を、この街で築き上げようとする昇だったが、みゆきが旦那を撲殺する事件に直面してしまう事に。
これを機に、街はゆっくりと歪み始め、昇は虚無感に襲われ心を閉ざしていく事となる…。

オフィシャルサイト
http://tentsuki6.jp/
©2010 Shima Films

 

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山田 雅史(やまだ ・まさふみ)

1976年生京都出身
高校時代デザイン科に所属。シュールレアリストの影響を受け主にイメージ画を制作。

1996年ビジュアルアーツ専門学校大阪入学。在学中は主に短編作品を制作。

2001年初の長編「RIDDLE」を制作 本作では自ら主演、撮影、編集を行い2001年大阪シネ・ヌーヴォにてレイト公開される。

2004年「つぶろの殻」を制作。PFF2004に入選し観客賞を受賞。
同年、映画批評家トニー・レインズ氏に評価されバンクーバー国際映画祭、プサン国際映画祭、サラエボ映画祭等にて上映される。

2005年大阪で開催された第1回CO2映画祭にて「堤防は洪水を待っている」を制作。
選考委員の黒沢清監督から「世界的に相当ハイレベル」と高い評価を受ける。

2008年からは「ほんとうにあった怖い話」シリーズ等のホラー商業作品を手掛け2009年に「ひとりかくれんぼ劇場版」が全国公開され新たな視点で恐怖を追求した作風が高い評価を得る。

2011年シマフィルム製作「天使突抜六丁目」公開。現在も全国各地で上映が続いており2012年春には最新作「×ゲーム2」が公開。

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