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クリエイティブな社会貢献 第1回「NPOの広報物を見て、手がうずきませんか?」

2009/04/15 インタビュー

■NPOからの嬉しい知らせ

「ホームページを見ました。うちの子どもは2歳です。
他人事とは思えません。入会させてください」
「レストランを経営している者ですが、みなさんの活動に感動しました。
寄付をします。忘年会はうちでご招待させてください」
「社員で募金をしています。活動のことはホームページでよく分かりました。振込先を教えてください」

これらは、NPO法人病気の子ども支援ネットのホームページを見た人から、同団体に届いたメッセージの数々です。

こうしたメッセージを受け取って、なにしろ、いちばん目を丸くしたのは当のNPOのみなさんたち。
「ホームページって、こんなにすごいんですね!」
自分自身、こうした成果が生まれることについて、ちょっぴり期待はしていたものの、いざ本当に起こってみると、心の中でガッツポーズでもとりたくなるような気持ちになるもので・・・。

 

■サービスグラントとは?

この「病気の子ども支援ネット」のホームページは、5人のボランティアが1つのチームを組むことで構築していきました。

一人は商社マン、一人はメーカー勤務、一人は新聞記者、一人はWEBデザイナー、一人は外資系企業の広報担当者。
ある人は全体の進行を統括し、ある人はNPOの関係者にヒアリングを行ったり、類似する団体のホームページを調べたり、またある人はコピーを起こし、ある人はデザインに注力する・・・。
それぞれのスキルを持ち寄って立ち上げたホームページが、NPOに新しい活力を与えていく。
「サービスグラント」とは、こんな取り組みです。

「グラント」とは、英語で「助成金」を意味し、一般に、豊富な資金をもつ財団などが、NPOや研究者などに対してお金を支援するもの。
これに対して、「サービスグラント」は、お金の支援ではなく、文字通り「サービス」の支援、特に、仕事のスキルやノウハウだったり、デザインやコピーライティングなどのクリエイティブスキルなどをつかってNPOを支援するしくみのことです。

 

■NPOにこそ必要な「伝える力」。でも・・・

NPOは、自らの営利追求よりも、いまの社会のしくみのなかでは十分にケアされてないさまざまなニーズにこたえようとしたり、行政や企業とは独立した立場で社会の新しいあり方を提案する活動を目的とする組織。
いまの社会にないことに取り組んでいるだけに、社会の評価が追い付いていなかったり、結果的に、資金面でもきゅうきゅうとしている場合が多いのも事実。

でも、いまの社会にないからといって、必要がないわけではなく、むしろ、NPOが活動している領域には、もっとたくさんの人に知られてもよいような重要な情報が数多くあるのです。もしかしたら、NPOが取り組んでいる大事なことが、あまり人に知られていないということは、社会にとって大きな損失かもしれない、というぐらい。

そんな、社会の中でまだまだ知られていない問題、人に伝えるのが難しい活動に取り組んでいるNPOこそ、コミュニケーションの知恵を総結集し、「伝える力」が不可欠!
・・・なのですが・・・、実際には、NPOのホームページとかパンフレットとか、文字が多かったり、見た目的にキビしかったり、いろいろ、とっつきにくく、一般の人を寄せ付けない!?ようなものも少なからず存在しているという現状も、否定できません。

きっと、クリエイターの方なら、そんなホームページやパンフレットを見ると、「何とかしてあげたい!」と思うかもしれません。

そんな「何とかしてあげたい」を実現させた成果物であるホームページが、冒頭で紹介したような、NPOへの寄付金や新しい人のつながりへと発展していってくれたら、ちょっと嬉しいですよね。

この連載では、筆者が取り組んでいる「サービスグラント」の例などを中心に、クリエイティブスキルによる社会貢献について、考えていきたいと思います。

 
■サービスグラント
http://svgt.jp/

 

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嵯峨 生馬(さが・いくま)

NPO法人サービスグラント代表


東京大学教養学部卒。日本総合研究所の研究員として、ICカード、決済、ポイントプログラム、地域通貨、NPOなどに関連する調査研究業務に従事。
2001年、渋谷を拠点とする地域通貨「アースデイマネー」を共同で設立。
2003年よりアースデイマネー代表に就任。
2004年、出張で訪問したサンフランシスコでサービスグラントを知り、その年の暮れに日本で「サービスグラント」を立ち上げ。
以来、進行中も含めて22のNPO団体に対してホームページやパンフレット等のサービスグラントを提供。

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