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Woman Creator’s Style 第2回 後編「15年前にやりたかったことが、実現できるようになった」平松昭子さん

人気イラストレーター、平松昭子さんのインタビュー後編では、今取り組んでいるという新しい本の話や、これからやっていきたいことについて、お話をうかがいました。 (※前編はこちら)

 

■昔やりたいと思っていたことが、できるようになりました

今、15年前にやりたかったことができるようになってきてるんです。9月にスタイルブックを出す予定なんですけど、15年前、仕事もなかった頃、全部手作りで同じような本を作って営業していました。

イラストレーターになりたいっていうよりも、ファッションが好きで、本が好きで、雑誌が好きだったので、いつかこういう本が作りたいって思っていたんですけど、最初からそういう仕事はできないのは分かっていたから、知名度を上げるためにもどんな仕事でもやって、パイプを作っていきました。

hiramatu3ひとつひとつの仕事を丁寧に、ちゃんと締め切りも守ってやるっていうのは、当り前のことですけどなかなかできないことだし、そういう信用で担当さんが「平松さんならやってくれるよ」って周りの人に言ってくれて。

絵だけじゃなくて信用で仕事って広がっていくっていうのがこの数年ですごく分かるようになりました。

 

■地域活動の班長に!

いろんな考え方があっても良いって思っていても、やっぱり普通のお母さんじゃないことに罪悪感を感じていましたが、今年の4月に地域の班長さんになったんです。最初はボスみたいな人とケンカしちゃったりしたんですけど、やってるうちに素敵なお母さんともいっぱい出会って、学校のことや地域のことをやってるうちに罪悪感もなくなってきたんです。

それでも他のお母さんと比べたら全然できてないのかもしれませんが、私は仕事をしているので、学校のことと仕事が半々ぐらいでちょうど良いんじゃないかなと思います。

班長になった頃にちょうど眼を悪くして、病院でもストレスや無理が原因って言われて、今まで1時間でできてたことが3時間かかるようになってしまって、学校のことも今さら断れないなって思っていたら、事情を分かってくれたお母さんが、「私がなんとかしてあげる」ってすごく良くしてくれたんです。そんなこともあって、今はちょっと観察しながらがんばってみたいなと思います。

 

■作品は、読んでくれる人へのプレゼント

真っ黒いものは嫌いだけど、うわっつらのきれいごとばっかりなのも嫌だから、その間をとってうまくやりたいなとは、お仕事を始めてから15年間ずっと考えていました。
hiramatu04自分が描くものは、読んでくれる人へのプレゼントみたいな感じで、プレゼント選びって自分の思いだけだとうっとおしがられちゃうけど、自分もあげたいと思っていて、相手も喜ぶだろうっていうものを選ぶ、そのさじ加減は、仕事をしながら編集さんたちに教えてもらって、10年目ぐらいから直しが入ることもなくなりました。
オーダーされて受ける仕事は、自分じゃ思いつかないネタで絵を描くことができるし、知識もつくから、自分の技術で仕事ができるっていう職人っぽいところもあってすごく好きで、逆に自分の世界観を好きなように出せる仕事はすごく楽しいけど、すべてを自分でやらなければいけないので、すごく大変でもありますね。

 

■新しく何かをやるより、ちょっと減らしてシンプルに

今年は10年ぶりに個展もやる予定なんです。ずっと忙しくしてきたので、その後は少しゆっくりしたいと思っています。20周年になったら作品集を出したいと思っているので、今までの作品をまとめていきたいですね。
それと並行して、今は眼を悪くしたのでお休みしてるんですけど、1年ほど前から始めた水墨画も少しずつやっていきたいなと思います。

今は新しく何かをやるというよりは、ちょっと減らしてシンプルにしたくって。水墨画を再開するのも、昔みたいに「描いて描いて描きまくる」っていうんじゃなくて、のんびり緑道に行って週1回・月1回描くとか、そういう風にやっていきたいなって思っています。今まではそれじゃ生活できないんじゃないかっていう不安があったんですけど、やってみなきゃ分かんないんですしね。

子育てについても、本当に大事なのは子どもと向き合わなきゃいけないときにちゃんとキャッチできるかだなと思っています。例えばうちの子は野球とサッカーが大好きで、その話になると急におしゃべりになるんですけど、でもそういう話こそちゃんと聞いてあげたいですよね。

仕事の方はすごく恵まれていて、やりたいこといっぱいできたんだけど、その代償としていろんなことがあったから、今後は体を大事にしながら、生活をちゃんとしていきたいなと思います。

 

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平松昭子(ひらまつ・あきこ)

1970年生まれ。
広告プロダクション退社後フリーのイラストレーターに。


玄光社主催第90回ザ・チョイス入選。雑誌をメインにイラスト、マンガを執筆。ブラックユーモアのある作品が多く、CF、教材アニメ、文庫表紙、商品パッケージなども担当する。


著書に「黒い夫婦」「不器用なシモキターゼ」など。
11/17~11/29までギャラリー東京バンブーにて10年ぶりの個展予定。


オフィシャルサイト:「錦昭園
平松昭子カスタムデザインTシャツネットショップ「ブティック★ヒラマツ」でカスタムTシャツを販売中。


また新刊として『お洒落きものイズム』(グラフィック社)が9月上旬に発売予定(地域により発売日が異なります)

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