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前編「子どもが産まれた頃、仕事が楽しくて仕方なかった」平松昭子さん

ひと目見ただけで平松さんの作品と分かる、ブラックなユーモアを感じさせるイラストや文章で、媒体を問わず幅広く活躍中のイラストレーター、平松昭子さん。
現在小学校6年生の息子さんの子育てや、ママ友・地域活動の上手なつきあい方、また、デビュー当時の話や今後やっていきたい仕事などをうかがいました。今回はその前編をお届けします。

 

■100社回れば仕事があるはず!

当初はコネも何もないから、バイトをしながら、日本全国小さい出版社まで100社回れば仕事があるだろうと思い、好きな雑誌をリストアップして、雑誌の後ろの電話番号を見て電話して、都内から営業を始めたんですけど、やっているうちにだんだんがむしゃらに回れば良いってもんでもないなっていうことが分かってきました。

hiramatu01ちょうどその当時Macが普及し始めて、パソコン雑誌が出てきた頃でそこではアニメっぽいイラストしか使われてなかったから「ここだったら、私のイラストが入ったら新鮮!」と思って訪ねて行ったり、空きを探していく感じでした。

その雑誌に描いてあるイラストのところに自分の絵をのせて「これできます」って見せたり、勝手に連載みたいなものを作って持って行ったり。

20社ぐらい回った頃に少しずつ仕事が来るようになって、26歳で妊娠した頃、収入を計算して「これだったら、息子と2人でもやっていける」と思えるようになりました。

 

■ずっと働いていくのが当たり前だと思っていました

できることなら若いうちに欲しいなと思っていたんですけど、子どもができたら仕事を辞めるっていう考えはまったくありませんでした。
ずっと働いていくのが当たり前だと思っていたので、結婚しても「人の収入」で生活していくっていうのを考えたことがなかったんです。いつどうなるか分からないからそっちの方が危ないと思っていたので、最初からお金の面ではだんなさんをあてにはしていませんでした。

離婚して1年経つんですけど、今思うと、そういう割り切った考え方が良くなかったのかなっていうか、自分やだんなさんの立ち位置を「こうじゃなきゃいけない」って仕事みたいに割り切って考え過ぎちゃってたから、それをはみ出したときにすごく気分が悪くなってしまって。

もし今だったら、昔みたいにがむしゃらにはしなくて、もっと柔らかい考え方で相手と話し合って仕事を少し休ませてもらったりするだろうし、そうしたとしても不安には思わないんじゃないかと思います。

 

■子育てより、仕事が面白くて仕方なかった

子どもが産まれた頃はとにかく仕事が面白くて仕方がなくて、泣いてる息子に口封じのようにおっぱいをあげながら仕事をしていて、いつも「どうやったらもっと効率良く仕事ができるか」って考えてました。

hiramatu02仕事を持ちながら子どもを育てていくならひとりでは無理っていうのはよく分かったので、 周りの人にすごく協力してもらいました。妹が通いで手伝いに来てくれていて、彼女の方がお母さんみたいに世話をしてくれていたんです。

その頃と比べると、今は仕事と子育てのバランスがうまく取れてると思います。昔は妹が食事も作ってくれていたので、息子の好き嫌いとかよく分かっていなかったんですけど、ここ2、3年は自分でちゃんと作るようになって、だんだん好みが分かってきて、「息子が喜ぶものを作ってあげよう」とか、思うようになったんです。

いつも「自分が、自分が」っていう風にやってきたので、こんな風に思うのは初めてのことです。

 

■ママ友とのおつきあいは「ゲスト感覚」で

他のお母さんとのおつきあいも初めのころは上手くできなくて。
地域の児童館に行ったりすると、もうグループができちゃってて、なんとなく疎外感を感じるようなこともあったんですけど、「自分のパートナーはお母さんじゃなくて子どもだ」って思うようにして割り切っていました。

働いていないお母さんの方が多いところに入ると多数決になっちゃって、やっぱり後ろめたいなと思って肩身が狭くなっちゃうのが分かったので、そういう場所はのぞくぐらいの感じで。ママ同士のつきあいにまったく参加しないっていうのも、子どもの様子が分からなくなるので、境界線にいて、10回に1回ぐらいゲストっぽい気分で好きな服を着て顔を出すっていうのが良いんじゃないかと思います。

着る物に助けられるっていうのはけっこうありますよね。着物で行くと相手が言葉を選んで接してくれるんですよ。そういうのもうまく使って、大変なことは少しでも減らせると良いですよね。

 

★おすすめアイテム

・玄米
腹8分目だと満腹感を感じないし、すぐにお腹が空いてしまうので、満腹になるまで玄米を食べるようになったら、変な時間にお腹が空かなくなって調子がよくなりました。

・着物
年々ちゃんとした場に出ることが多くなるにつれて着物を着る機会が増えて、着物の力に助けられています。まずは浴衣から始めて慣れておくと、いざというとき役立つと思います。

・ハーゲンダッツとファッション誌
カチンとくることがあったときは、コンビニに行ってハーゲンダッツのアイスとファッション誌を買うんです。家で1時間ぐらいまったりすると、気分が戻ってきます。

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平松昭子

1970年生まれ。
広告プロダクション退社後フリーのイラストレーターに。


玄光社主催第90回ザ・チョイス入選。雑誌をメインにイラスト、マンガを執筆。ブラックユーモアのある作品が多く、CF、教材アニメ、文庫表紙、商品パッケージなども担当する。


著書に「黒い夫婦」「不器用なシモキターゼ」など。9月に着物のスタイルブックを刊行予定。
11/17~11/29までギャラリー東京バンブーにて10年ぶりの個展予定。


オフィシャルサイト:「錦昭園
平松昭子カスタムデザインTシャツネットショップ「ブティック★ヒラマツ」でカスタムTシャツを販売中。5月末まで、オリジナルエコバッグプレゼント中です。

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