世の中にまだない「面白い」を発想するアイデア力と、それを形にする技術力で、これまでに数々のクリエイティブを生み出してきた面白法人カヤックで活躍する瀬尾さんにお話を伺いました。

クライアントの課題解決が魅力

イメージ入社して8年、自社サービス、クライアントワーク、R&Dと色々な経験を積んできましたが、近年は特にクライアント様と一緒に新しいことをしていくことが多くなりました。 例えば、Google様のローカル検索のキャンペーンで作成したのが、『ごちそうフォト』という写真投稿サービスです。お店で撮った料理の写真に「#ごちそうフォト」というハッシュタグをつけてGoogle+に投稿すると、サイトに掲載され写真コンテストに参加できるという仕組みを用意しました。多くの人が普段おこなっている、ごちそうの写真をSNSに投稿するという行動を、より楽しく演出することを考えてみました。リリースして1年経つ現在でも、ユーザー主体のオフ会が開催されるなど、ユーザーに楽しんでもらえていると思っています。改めてコミュニティの場づくりの面白さを感じることができました。

イメージマイクロソフト様のブランディングコンテンツでは、同社の技術を使えば『自分たちで色々なものが作れる』ということを伝えるムービーを制作しました。テーマは『みんながソフトを作ることができたら、世の中はどのように変わるだろう?』というもの。ムービーの本編では、カフェのサイネージを手作りで行うプロセスを紹介しました。企業がつくる隙のない完成品ではなく、もっと個人に響くものをDIYする楽しさを伝えるために、手作り感を大事に表現しました。制作期間が実質2、3週間というタイトなスケジュールであったため、ビルの撮影許可がなかなか下りなかったときは、正直心が折れかけました(笑)。でも、結果は多くのメディアに取り上げられ。クライアントにも喜んで頂くことができました。

イメージ直近で携わっていたのは、日経BP社様の『日経ビジネス(電子書籍版)』です。こちらは電子書籍、ニュースメディアの新しい形を実際の編集、記者の方々とディスカッションを重ねながら考えていきました。読みやすさと、電子書籍でありながら紙媒体に負けない質感を出すことを最優先として、デザインを精査し、見た目の機能はシンプルながらも、オフラインでも記事を読めるよう記事を自動でキャッシュするなど、様々な工夫が盛り込まれています。公開2週間で10万DLを越えるなど結果を出すことができました。

クライアントワークは、『課題をどうやって解決していくのか』というまさにそこに面白さがあると思います。自分が実現したいと考えていることとうまく合致して、クライアントと一緒に企画を実現できると、表現にレバレッジがきいて面白いですね。クライアントに提案をしていく際にブレずに持っている軸は、ちゃんと目に見えるストーリーが描けているかということです。話の筋が通っているとユーザーに伝わりやすく、どのような趣旨のコンテンツやアプリなのか理解しやすくなると考えています。

“もの創りが好き”であること

イメージ“ものを創るのが好き!“というクリエイターばかりなので、カヤックではそれが一番大事なことだと思っています。毎月開催されている勉強会も、講師やプレゼンターが挙手制で次々とテーマを上げてきます。みんなのやってみたい新しい技術、デザインが発表されていくので、実際に企画を作る時にも、「この前のあれを使ってみようよ。」というように率先して新しい技術を盛り込むことができます。次に柔軟性。創っている段階で朝令暮改は良くあることなので、気持ちを切り替えて取り組めることは大切ですね。後は若々しく元気であることも。特に若手のクリエイターには、「とにかく、何でもチャレンジしておくといいよ」と伝えています。「やったことがないから、やらない」ではなく、「チャンスがあったらやってみる!」という気持ちがあると、チャレンジが与えられる機会が増えると思っています。

カヤックは、みんな“何か面白いものを創りたい”ということでコンセンサスが取れた集団なので、私にはとても面白いです。またクライアントワークだけではなく、自社サービスも両立している会社はそれほど多くはないので、バランスよく両者の考え方もできるというところが魅力だと思います。

今後、目指すもの

イメージ20代は、話題性の高いものを創りたい!という気持ちが強くて、突っ走ってきました。クライアントワークの楽しさも感じているのですが、広告やマーケティングよりのものが多かったため、本来のサービスを創る機会を最近あまり経験していないので、ここから先はまた自社オリジナルのものも手がけて行きたいですね。

最近は、誰でも3Dプリンタなどで簡単にものを創れる世の中になってきたという動きもあり興味もあるのですが、もう一度ウェブに向かい合って、コミュニケーションを深くするためのサービスなど、これまで形にできなかったものに挑戦して行きたいと思っています。


kayac_logo

鎌倉に本社を置き「面白コンテンツ」を発信するWeb企業。
ソーシャルゲーム、スマートフォンアプリ、広告キャンペーンを主に展開しています。
給料の一部をサイコロで決める「サイコロ給」、1年に数ヶ月好きな場所に支社を設立する「旅する支社」といったオリジナル制度も多数。

カヤックコーポレートサイト

http://www.kayac.com/