クリエイティブ業界の注目情報や求人情報などを発信する、クリエイターのための総合情報サイトです。

~ 飛躍するクリエイター ~ 第42回 中山 霞 ゲームデザイナー

ゲームデザイナーとしてキャリアをスタートさせて4年。
プレッシャーはあるが、不満も文句もないと中山霞は明るく笑う。
エンターテインメントが大好きで、好奇心旺盛、ゲームは物心ついたときから当たり前のようにそばにあり、何より自分が楽しんで生きる術を知っている。目の前に差し出されたチャンスや流れに乗りつつ、しなやかにゲーム業界を生きている。
 

■ エンターテインメント大好き!

ゲームデザイナーとして「GOD EATER」シリーズを手がけています。モンスターやプレイヤーの配置などを設計するミッションの組み立てに、フィールド形状や武器のパラメーター設計等のレベルデザインなど、仕事の内容はプランナーですが、いまは海外にあわせ国内でもゲームデザイナーと呼ばれています。
 徹夜でゲームをやっているような両親だったので、常にゲームが生活の中にありました。家に母親より早く帰らないとゲーム機を取られちゃうんです。母は自分がゲーム好きだから、子どもに注意ができずに困ったとよく言ってました(笑)。小さい頃からジブリやディズニーアニメも大好きで、やがて映画好きになり、いまもよく映画館に行きます。テレビも好きです。宝塚などの舞台中継も見ますし、エンターテインメントはなんでも好きだし、興味があります。
 高校生ぐらいまでは趣味ややりたい仕事がコロコロ変わっていたんですが、最終的に自分が一番好きなことは絵を描くことだと気づきました。小さい頃から隙あらば絵本やいろんなところに絵を描いては怒られていましたし、授業中も、人や動物のキャラクターを考えてはずっと描いてるような子でした。すごく絵がうまいわけではないんですが、描くことが好きなんです。父はもう亡くなってしまったんですけど、市営地下鉄の修理をする仕事に就いていて、手先が器用で、クルマ大好きで、家でもいつもつなぎ着姿でずっと作業をやっていました。父はパソコンも早くから購入していて、私は小学生の頃からそれで絵を描いて遊んでいました。中学生の頃にはPhotoshopを使って描いていましたし、マウスじゃ描きにくいって言ったら、ペンタブレットが1週間後に届いたり(笑)。父はなんでも極めちゃう人で、高価なプロ用のソフトも当たり前のように家にありました。実は母も絵がうまかったり、そんな両親のいろんな要素を受け継いでいるような気がします。
 

■ “好き”を追いかける

絵が好きだし、ゲームも好きだし、映画も好き……、ということで高校3年生の夏頃から3DCGをやってみたいと思うようになりました。それで、何校か専門学校を見学に行きました。日本工学院専門学校の体験入学には何度も参加し、そのうちに先生とも仲良くなり、環境も雰囲気も気に入って、高校卒業後は日本工学院専門学校コンピュータグラフィックス科三年制(現クリエイターズカレッジ CG映像科3年制)に進みました。
 コンピュータグラフィックス科三年制はオシャレで個性的な人ぞろいで、人数も20人ぐらいと少なかったので、全員あだ名で呼び合うようなわき合い合いとした雰囲気でした。映画が好きな子も多かったので、ストーリーはよかったのに、CGのあの部分が気になったとか、映画「トランスフォーマー」(07)はヤバいよねとか、CG科ならではの話題でみんなで盛り上がったり、とても楽しかったです。
 卒業制作では、企画とキャラクターデザインを担当し、キャラクターの3DCG化やアニメーション(動き)は得意な人に任せました。3DCGを学びたくて入学したんですが、絵コンテを書いたり、カット割を決めたり、映像制作のほうが面白くなってきたんです。当時から企画志向があったのかもしれません。
 日本工学院専門学校の教育補助員を2年間勤めたのち、2010年にゲーム開発制作会社シフトの「GOD EATER」チームにゲームデザイナーとして採用されました。面接前に、「GOD EATER」を買ってきて実際にプレイしてみたらすごく面白くて、その作品に関われることになり、合格がわかったときは「ヤッター!」って感じでした。
 入社してすぐに、終盤を迎えていた「GOD EATER BURST」(10)で、アシスタントとして、追加のミッションや武器の設定をはじめ幅広くいろいろな経験をさせていただきました。その「GOD EATER BURST」が発売されたときもすごく嬉しかったです。お店の棚に並んでいる「GOD EATER BURST」を見てはニヤニヤしてました(笑)。

pec42_01

GOD EATER BURST」©BANDAI NAMCO Games Inc.(10)

発売されたときは、ネット上にお客さんの感想や意見が出てくるんですが、それを見るのが楽しくて。ほめてもらえるとすごく嬉しいし、厳しい指摘は反省もしつつ、じゃあ、次はこうしようってプラスに考えながら見ています。

 

■“楽”も悪くない

2013年11月に発売された「GOD EATER 2」が、最初から最後まで携わった初めての作品です。ゲームデザイナーは、企画が立ち上がる前も、立ち上がってからも忙しく常に全力疾走状態だし、武器の名前、性能、パラメーターなどが並んだエクセルの表とずっとにらめっこしていると、少し気を抜きたくなるときもあります。仕事も任されるようになり、プレッシャーで不安になることもあります。でも、辞めたいと思ったことはありません。
 先輩のゲームデザイナーはみなさん素晴らしい方々で、私がひとつ提案すると、「ああなったらどうする? こうなったときは?」と、それに対する解決策が頭の中できちんと組み立てられた上で、私に「どうするの?」と投げてくるんです。そのアッチコッチに伸びた思考回路には感心させられるし、自分もそうなりたいといつも思っています。あと、興味が広く行動的なんです。私もそうですが、いろいろなことに興味があって、いろいろと手を出します。突き詰めたマニアな人には到底かなわないものもありますが、大体のことは知っています、といった感じです。ある意味すごくミーハーなんだと思いますが、ゲームデザイナーには必要な資質のような気がします。
 結局、得意なものって好きなことだと思うんです。3DCGもそうですが、私はその好きなものをどんどんやってみて、やったら苦手だったってことをどんどんやめていったんです。好きだから苦手でも頑張るという人は偉いなと思うし、しがみついてやったからこそ手に入れたものって自分の頑張った成果だから大事だとは思います。でも、「こうなんだ!」ってそんなに頑張らなくても、次に進んでいける場合もあるんじゃないでしょうか。
 実は私の第一希望はキャラクターデザイナーだったんですが、採用はゲームデザイナーとしてでした。だけど私は、来たものに自分なりに乗っかっていけちゃう性格(たち)で、それはそれで楽しむことができるんです。「どうしたら楽なのかな」と考えてみるのもいいことだと思います。頑張り過ぎで折れちゃうよりも、漂ったり、受け入れたり、自分はどうしたら楽になれるのかなって考えて、その楽なほうに行ってみる。それって、そんなに間違ったことではないと思います。

pec42_02

GOD EATER2」©BANDAI NAMCO Games Inc.(13)

私は自分の間違いや人の意見をすんなり受け入れることができるほうなんですが、それができない自我が強すぎる人は、ゲーム業界では厳しいかもしれません。何か意見されたときにもう一度考えてみて確かにNGだなって思ったら受け入れて直さなければいけない。それでもこれは正しいんだって思ったら、説明をして相手を説得しなければならない。目の前の人も説得できないのに、どうやって見えない大勢のお客さんを納得させられるのかってことだと思います。

 
この記事に関するお問合せは、こちらまで
info@c-place.ne.jp

pec42_85

中山霞(なかやま・かすみ)

ゲームデザイナー
1986年神奈川県生まれ。高校卒業後、2005年日本工学院専門学校コンピュータグラフィックス科三年制(現クリエイターズカレッジ CG映像科3年制)に入学。同学科で教育アシスタントをへて、2010年ゲーム開発制作会社シフトに入社。主な作品に、「GOD EATER BURST」(バンダイナムコゲームス、10)、「GOD EATER2」(バンダイナムコゲームス、13)。

関連記事