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~飛躍するクリエイター~ 第36回 池田 幸輔 ゲームプログラマー

ゲームプログラマー池田幸輔の原動力のひとつは新しい世界へのチャレンジだ。
「ゲームに一番大事なのは”達成感”だと思うんですが、それに見合うだけの頑張りもしなくちゃならない。ボスを倒すためにレベルアップしますよね。敵が強ければ強いほど、頑張らなければいけない時間も増える。でもそれだけ達成感も大きい。だから、たとえ苦しくてもその頑張る時間を大事に進んでほしいんです。ゲーム風にいうと”レベル上げ”って大事だよねってことです(笑)」

 

■ 現場に直結した有意義な時間

最初に遊んだのは、ゲームボーイのスーパーマリオランドだったと思います。小・中学校とずっとバスケットをやっていましたし、ゲームは楽しかったですけど、熱烈なゲームファンというほどではなかったんです。だけど小学生の頃の文集には「将来の夢はゲームをつくる人」と書いていて(笑)。やっぱりゲームが好きだったんだと思います。
 高校は情報専門課程に進みました。そこで初めてパソコンに触ったんですが、すごく楽しくて。ますます本格的にゲームの道を考えるようになり、卒業後は大学よりゲーム制作が学べる専門学校に進みたいと思いました。高校に同じような目標を持った仲の良い友だちが4人いて、みんなで専門学校を探していたんですけど、仲間のひとりだった陸上部の子の「この学校のグラウンドはきれいだ、素晴らしい!」という一言で日本工学院専門学校八王子校に狙いを定めました。ま、グラウンドが整備されているということは、学校の施設がきちんと整っているということかと(笑)。実際、八王子校の設備は確かに良かったので、あながち僕らの考えも間違ってもなかったような気もします。それで八王子校のオープンキャンパスにも参加したら、授業がすごく面白かったし、わき合い合いとした雰囲気もとても良くて、一発で気に入り入学を決めました。
 日本工学院八王子校に進んで本当に良かったと思います。とにかく先生方が素晴らしかった。ツールもソフトも実際に現場で使われているものが学校にも導入されていて、授業で学んだことをそのままプロの現場で活かすことができたんです。例えば、Subversion(サブバージョン)という複数の人間が共同で作業する場合にファイルを管理するソフトがあるんですが、会社に入社したときに、Subversionを学生の頃から使っていたことで評価され、スムーズに仕事に就くことができました。そういったソフト選びも先生方がやられていたし、日本工学院の授業は現場に直結したとても益なものでした。

 

■ 新しいことに挑戦したい

卒業後はパオンに就職しました。就職説明会でいろいろなゲーム会社を回ったんですが、ちょうどパオンがパブリッシャーになるということで興味をもちました。僕はゲームクリエイター科の3年制だったんですが、就職を控えた3年生の夏からパオンにインターンに入らせてもらい、その後試験を受け、希望通り就職することができました。
 パオンではいろんなプラットホームを経験させてもらいました。インターンのときはケイタイのRPG、入社してからWii、そのあと3DS、さらにPS3とXBoX360とPCという3つのプラットホームを同時に開発させてもらい、アーケードゲームにも関わらせてもらいました。楽しかったですね。もちろん至らないこと、わからないことが多く、日々壁にもぶつかっていましたが、その都度周りの先輩たちが助けてくれたし、会社のアットホームな空気感に救われました。初めて自分がプロとして携わったのが、Wiiの「風のクロノア door to phantomile」なんですが、スタッフロールに自分の名前を見つけたときは、「やった!」ってすごい達成感でした。うれしくて、自分のスタッフロールのところだけ友だちに見せたりもしていました(笑)。
 自分には、まだやったことのないものを経験したいという欲求が強くあって、2011年からソーシャルゲームの開発に参加するためにクリーク・アンド・リバー社に転職しました。ソーシャルゲームの一番のやりがいは反応の早さですね。15時にアップしたら、15時半にはいろんなレビューが上がる。そのレビューに心が折れたりする場合もあるんですけど、良い評価をいただけるとそれだけ励みになります。

 

■ 大事なのは、好奇心と読解力

プログラマーとして活躍するために必要なのは“好奇心”と“読解力”だと思います。プログラマーは英語をたくさん使うんですけど、僕は昔から英語が得意じゃないんです。だけど、わからない単語が出てくれば調べればいいだけだし、いまはネットもあるんだから、とにかく気になることや疑問を調べつくす。その好奇心と、わかるまであきらめない解決への意気込みや気合いみたいなものがプログラマーには大事だと思います。
 読解力ということでいうと、プログラムというのは人によって書き方が違うんです。日本語と同じで、簡単なことを長々と説明する人もいますし、要点だけ書く人もいる。きちんと物事を伝えられる文章力があったほうがいいし、何より自分以外の人が書いたプログラムを読むためにも、プログラマーには読解力が大事だと僕は考えているんです。
 約3年間ソーシャルゲームをつくってきたんですが、いまネイティブゲームの開発に挑戦を始めています。日本工学院時代の恩師に業界でも有名な方がいて、だけどその先生はもともとゲームをしない人だったんです。ただプログラムがすごく好きで、いいプログラム、最先端のプログラムをつくる場をゲームに見出したそうです。ゲーム業界というのはそういういろんなすごいが要素が集まって切磋琢磨しているところなんです。ゲームが好きなのか、プログラムが好きなのか、仕事にしてしまったせいで純粋にゲームを楽しめなくなったんじゃないか? そんなふうに悩むこともあります。でもこんな精鋭ぞろいの業界で、これまでやったことのないことに向かって挑戦を続けられることに、いまは一番の手応えと喜びを感じています。

イメージ

神魔召喚ギルティチェイン(Mobageにて配信中) ©C&R社

 

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池田 幸輔(いけだ・こうすけ)

ゲームプログラマー
1987年茨城県生まれ。高校卒業後、2006年 日本工学院専門学校八王子校ゲームソフト科三年制(現クリエイターズカレッジ ゲームクリエイター科)に入学。2008年に株式会社パオン入社、「風のクロノア door to phantomile」(Wii)ほか多数手がける。2011年よりクリーク・アンド・リバー社にてソーシャルモバイルチーム プログラムリーダーとして活躍中。主な参加作品に、「RAVEアルティメットバトル」(13)、「神魔召喚ギルティチェイン」(13)ほか。

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