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株式会社マネーフォワード

注目企業のデザイン哲学 〜我つくる、ゆえに我あり〜 #5 マネーフォワード編

インターネット業界のデザイナーのキャリア形成に、一筋の光を。
キャリアを模索する上で、「何をつくるか」も大事ですが、「自分のデザインに対する考え方とマッチした会社で働けるか」ということが、より重要な時代になってきていると感じています。

そこで、本連載では、注目企業のデザイン領域のリーダーの方々に、「何をつくっているか」ではなく、「何を考えてつくっているか」を、徹底的にインタビューして皆様にお届けしていきます。

第五回は、マネーフォワードのデザイン戦略室・室長の金井恵子さんと大橋瑞生さんのお二人にお話をお伺いしました。

取材・文:佐藤タカトシ(core words株式会社 CEO/Creative Director)

 

金井 恵子(かない・けいこ)
株式会社マネーフォワード
デザイン戦略室 室長

大手Web制作会社にてECサイト、ポータルサイト、企業ブランドサイトなどのデザインやアートディレクションを担当。その後独立し、フリーランスのデザイナーとして約4年活動。
2014年にマネーフォワードに入社。全社のデザイン・ブランディングを担当。


大橋 瑞生(おおはし・みずき)
株式会社マネーフォワード
デザイン戦略室 PFMグループ リーダー

制作会社・Web広告事業会社でのデザイナー経験を経てマネーフォワードに入社。
自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」におけるUXやUI/ビジュアルデザインなどを網羅的に担当。


 

■ まずは、マネーフォワードの事業と、デザイン戦略室の役割について教えてください。

(金井)私たちは、「お金を前へ。人生をもっと前へ」をミッションに掲げ、自動家計簿・資産管理サービスである『マネーフォワード』や、法人の会計や確定申告、給与、請求書作成、経費精算などバックオフィス業務を効率化する『MFクラウドシリーズ』などのサービスを展開しています。 個人、法人のお金に対する悩みや課題、不安を軽減し、日々の暮らしの改善や夢を実現していただくことが事業の目的です。

デザイン戦略室は、BtoC、BtoBの各領域のサービスデザインを横串で担う組織で、所属しているデザイナーは7名です。合計7つのサービス全てにおいて、ユーザーの本質的な課題解決をすることが私たちのミッションです。組織として大切にしていることは、フェアであり、オープンであること。案件のアサインにおいては、デザイナーの意志を尊重するようにしています。また、エンジニアだけではなく、経営ボードに対しても、デザインの大切さや可能性を発信し、全社でユーザーファーストを追及していくことも、デザイン戦略室の重要な役割です。

 

■ 実際に、サービス開発の現場ではどのような取り組みを行っていますか?

(大橋)私は、『マネーフォワード』のデザインチームのリーダーを務めています。ユーザー体験を最大化するためには、デザイナーとエンジニアはもちろんですが、事業企画や営業、そしてカスタマーサポートも一体となって、開発する必要があると思っています。この中心に、デザイナーが立ってもいいのではないか、と考えています。

まず、エンジニアとの協業においては、『デザインスタイルガイド』というツールを制作しました。使う色やフォントサイズを明確にしたもので、共通言語として活用するために、ビューアーも開発。エンジニアがUIをスムーズに実装できるようになりました。さらに、他職種のメンバーとも意識を揃えるために、ワークショップを行い、サービスの価値を言語化して可視化する取り組みも行ってきました。

 

■ なぜ、そのような活動を始めたのでしょうか?

(大橋)『マネーフォワード』の新規ユーザー獲得のために、TVCMを放映したことがありました。その際に、一時的ではありますが、プロジェクトチームの方針がぶれたんですね。新規のユーザーと既存のユーザー、そのどちらに向けて、私たちは開発しているのか。「家計簿アプリ」と銘打っていたので、新規ユーザーは主婦・主夫層など家計を管理する方がメインターゲットだったのですが、既存のユーザーは、資産管理などに積極的なお金に対して意識の高い方が多かった。この時、どちらを大事にするべきかを議論したことがあったのですが、「サービスの価値を改めて定義して、“可視化”して“共有”しなければ、チームがバラバラになってしまうかもしれない」という危惧を抱きました。そこで、ワークショップを行ったり、職種間での共通言語やツールを整備しました。それでチームとしての雰囲気がガラリと変わりましたね。このチームの一体化が功を奏し、ユーザーの使用率が1.5倍に伸びた施策もあります。

(金井)私たちのサービスは、ユーザー、金融機関などのクライアント、そして自社の「三者のWin-Win-Win」を目指す必要があります。だからこそ、その中心に置く価値を明確にした上で開発しないと、いずれかに偏り過ぎてしまい、全体としての最適解が実現できません。なんとなく頭の中に「こういうサービスコンセプトだよね」というイメージがあるだけでは、本当の意味でのいいサービスを生み出すのは難しいと思います。

 

 

■ 確かに、価値を明確にして可視化することは、サービス開発の中では非常に重要ですね。

(金井)サービス開発だけではなく、社内の改革におけるデザイン業務も大切にしています。可視化して伝えることは、サービスだけではなく、会社も良い方向に導く力があると感じています。進行中のプロジェクトの中では、ビジョン実現のための「ミッションステートメント」策定があります。日々の業務の中で、何を大切にして、どのような行動を取るべきかを、言語化・可視化するものです。「ミッションステートメントを策定したから、その浸透のためのカードやポスターをデザインしてください」「社内イベントで使用するツールをつくってください」といった依頼を、経営ボードから受ける会社は多いと思うのですが、マネーフォワードのデザイナーは、そもそもの課題設定から入り込みます。

大橋さんの仕事はまさにそうでして、表面だけではなく、根っ子から変えないと効果を上げるのは難しいですし、そこにデザイナーが関与する意味は大きい。発信側の視点だけではなく、受け手側の感情をイメージできるのはデザイナーが得意だと思いますし、アウトプットを制作しながら進められる強みも持っています。ビジョンに共感し、「ユーザーの課題を解決するための最高のサービスを創りたい」という想いを持ったデザイナーに対して、その可能性を最大化するために、デザイン戦略室としてもできる限りの支援をしています。

 

■ それでは、最後に、どのようなデザイナーの方と一緒に働きたいですか?

(金井)会社として大事にしているのは、当社のビジョンに共感してくれるかどうか。デザイン戦略室は、まだまだこれからの組織なので、コアメンバーとして仕事をしていただくことになります。だからこそ、社会や会社を良くしていきたいという想いを持っている方と働きたいですね。一方で、能力やスキルの強みは限定しません。組織としての多様性を保っていきたいからです。大橋さんのようなサービスの根っ子から入る人もいれば、目の前の課題を爆速でPDCAを回して解決するのが得意な人もいます。フェアでオープンな社風だからこそ、活躍できる方の幅は広いと思いますし、それが会社の強さの源泉でもあります。

(大橋)私も同じ考え方です。デザイン戦略室内でデザインレビューを行っているのですが、いろいろな視点で意見を出し合うことで、サービスが成長し、メンバーの引き出しも増えていく。それに加えて、デザインそのものを目的化するのではなく、サービスを活かすための手段として捉えられる人がフィットします。「自分のサービスを通じて、世の中をより良くしていきたい」と熱い想いを持っていれば、どんどん周りを巻き込むこともできると思います。ぜひ、一緒にデザインの可能性を広げていきましょう。

 


 
 

 
 

会社プロフィール

「お金を前へ。人生をもっと前へ」というミッションを掲げ、お金の課題を解決するための事業を展開。自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」や、 会計・確定申告・請求書・給与・マイナンバー・経費精算など バックオフィス業務に特化したビジネス向けの「MFクラウドシリーズ」を開発・提供しています。また、 お金に関するウェブメディア「マネトク」や、国内外でのFintechの現状や最新動向の調査、コンサルティングなど を行うFintech研究所の運営など、網羅的に「お金」に関するサービスを提供しています。

 
■ 社名  :株式会社マネーフォワード
■ 所在地 :東京都港区芝5-33-1 森永プラザビル本館17F
■ 設立  :2012年5月
■ 代表者 :代表取締役社長CEO 辻 庸介
■ 事業内容:インターネットサービス開発
■ URL:http://corp.moneyforward.com/

 

この求人に関するお問い合わせ

株式会社クリーク・アンド・リバー社
担当/鈴木
Tel:03-4550-6195
Mail:shokai2@hq.cri.co.jp

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佐藤 タカトシ

株式会社core words CEO兼クリエイティブディレクター

2001年4月、大手情報会社系の制作会社に入社。11年間に渡り、100社以上の採用ブランディング、採用コミュニケーションを支援。クリエイティブディレクターを務めたのち、2012年7月、DeNAに転職。採用チームに所属し、採用ブランディングをメインミッションとして活動。 2015年7月、採用ブランディング支援会社、core wordsを設立。東京大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科修了。

core words株式会社
http://www.corewords.jp/

個人Facebookページ
https://www.facebook.com/takatoshi.satoh.3

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