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子どもとしごと ママたちのお仕事復帰ストーリー Vol.7 アシスタントディレクター 関口 亜希子さん

子どもを育てながら働き続けるクリエイターはどんな出産、産後、復帰を経験してきたか。
さまざまな職種のクリエイターによる「子どもとしごと」の関係をリレーインタビュー!

関口 亜希子さん
大学時代からテレビ業界に携わり、新卒でクリーク・アンド・リバー社に入社。一度の退職を経て再度同社へ入社し再びテレビ業界で働く。長男を出産後、今年5月に仕事復帰をして現在3カ月目。仕事とプライベートのより良いスタイルを模索している。

 

テレビ、音楽の制作畑で経験を積み産休へ

大学時代にマスメディアを専攻、アルバイトではテレビ番組のカメラアシスタントを経験し、クリーク・アンド・リバー社の映像部署に新卒入社した関口さん。入社後は希望通り番組の制作現場へ配属され、最初の担当番組は日テレの平日夕方の報道番組「news every .」だった。そこでAD(アシスタントディレクター)として4年間勤めていたが、一度退職をしたのだそう。
「情報番組でADを4年間務めましたが、以前からの音楽業界で働くという夢も捨てきれなくて。そこで一度この会社を辞めて転職したんです。それで音楽業界で働いてみたのですが、1年ほど経ったころ、やっぱりテレビ業界が恋しくなったというか、みんなで一つのものを作り上げるテレビの現場に戻りたくなって再度この会社に入社することになりました」
もともと円満に退社したこともあり、エージェントに相談すると快くすぐに仕事を紹介してくれ、それは本当にありがたかったという。

これからもたくさんの成長を見つけていきたいです

これからもたくさんの成長を見つけていきたいです

2013年、再度入社したクリーク・アンド・リバー社ではWOWOWに派遣され、AP(アシスタントプロデューサー)を務めていた。仕事は楽しくやりがいはあったが、そこで妊娠がわかり2015年4月で産休に入った。その2か月後の5月に男の子を出産し、育休を1年間取得した今年5月末に仕事復帰となった。

 

自由な働き方と安心を、会社が与えてくれている

「息子は5月生まれなので、1年後の今年の5月から保育ママ(※1)の保育を利用して仕事復帰をしました。保育ママを選んだのは積極的にそうしたかったわけではなくて、認可保育園(※2)の入園申込時期の11月、そのころ息子は生後半年で毎日の夜泣きが本当にひどかったんです。それで申し込み資料を役所に取りに行って、会社に書類の記入を申請し、それを持ってまた役所に申し込みに行くという余裕がまったくなくて、その時期を逃してしまいました」
申し込み時期の11月頃は、また働くことが無理だと思っていたというが、年が明けた頃にはあれほど大変だった夜泣きも落ち着き、少し余裕もできたという。そこでようやく復帰を考えられるようになったので役所を訪れてみたが、認可保育園はどこもすでにいっぱいになっていて、そこで紹介されたのが、今通っている保育ママだったという。
「私の住んでいるところも待機児童の多い地域だったので、このタイミングで保育ママを紹介してもらえたことはすごくラッキーでした」

こうして5月末に仕事に復帰することになったが、最初の1ヵ月は子どもの体調不良で半月もまともに通えなかったという。
「はじめの頃は会社から支給される看護休暇を使って休みましたが、それもなくなり有休もどんどん減ってしまったので、名古屋に住む実家の母に1週間くらい泊まってもらい、その間ずっと面倒 を見てもらって、それでようやく出社ができていました。あと、義理の母はまだ仕事をしているのですが、毎回休みが決まると教えてくれるので、子どもの不調が休みと重なる日は、義母にも来てもらい、最初の1ヵ月をなんとかしのぎました。夫も私と同業でテレビ番組の制作をしているので、シフトの休みにあたっている日は面倒を見てくれていました」

仕事復帰したての1ヵ月の間に長く体調を崩してしまったため、看病や子守に家族総出で取り組むことになり、子育てをしながら働くことの大変さを経験でき、そして家族の協力体制が1ヵ月で作れたことはよかったと語る関口さんに、夫婦の普段の役割分担をたずねると、「夫は子どもが生まれる前から、家事全般、よくやってくれるんです。今は私が片づけをしている間は子どもと遊んでくれ、私の手が回らないところを埋めてくれるように動いてくれるので助かっています」とのことだった。
「まだアドバイスとかできる段階ではないですが、これから復帰して働き始める方は、全部自分で頑張らず、ほかの人の手を借りて仕事ができるといいなと思います。かならず迷惑はかけるものと割り切りつつ、お世話になった人への感謝の気持ちを忘れないようにと日々私も思っています」

一人で歩けるようになってから、自分の足でどこへでも行く姿にたくましさを感じます

一人で歩けるようになってから、自分の足でどこへでも行く姿にたくましさを感じます

今は子どもの体調も落ち着き、保育園という新しい環境にも慣れ、元気に通ってくれるので、ようやく自分も新しい仕事に向かうことができているという。
「復帰した今は、以前所属していたWOWOWではなく、クリーク・アンド・リバー社の本社内で採用担当をしています。」
今年の5月末から仕事復帰をしてまだ2ヶ月ほど。復帰の際には希望勤務時間や職種をヒアリングされたが、テレビの現場では9時~16時半といったような時短業務はなかなか見つからず、現場に復帰することはできなかったという。

「すぐに戻りたい気持ちもありましたが、現場は時間的にも肉体的にもハードなところが多いので、まだ小さな子どもを育てながら本当にその仕事が務まるのか、という不安もありました。でもクリーク・アンド・リバー社では社内にいろいろな部署や業務があるので、テレビの現場しか知らない私ですが、私の働ける条件に合う案件がくるまでは、今のように本社勤務にさせていただけるのでとてもありがたく思っています」
確かに、番組制作会社などの所属だったとしたら、条件に沿わなくても復帰となればすぐに現場の仕事に就かなければならないか、または条件に合う仕事が見つかるまでは働くことができないといったことがあるのかもしれない。それを考えると、自分の条件に合った案件に出会うまでは、別の業務に配属され、別の仕事をしながら待てるという今のこの状況は、仕事復帰をしたばかりの関口さんにはとても恵まれた環境のようだ。

そんな関口さんの現在の仕事は、本社の採用係で、映像部署に入社希望をする人たちの書類の仕分け、面接の連絡、選考を通過した内定者が参加する、1泊2日の研修合宿の企画などだ。
「面接にくる方を見ていると、昔の自分を見ているようで、がんばってほしいなという気持ちになります。テレビの現場に戻りたいという気持ちはあるけれど、この仕事はこの仕事でとても責任もあり、やりがいを感じています」

出産をしなければずっとテレビの現場にいてこの部署に配属されることもなかったが、出産を経験したことで出会ったこの仕事に対して、責任を感じ高いモチベーションで取り組めていることは新鮮だという。復帰後こうして時短案件を待っている今の状態をビハインドと捉えずに、すぐにテレビの現場に戻っていたら知ることの出来なかったことを経験できているというポジティブな考え方は、いつかテレビの現場に戻れた時、きっとプラスに働くものになることだろう。

(※1)主に3歳未満の児童を保育者の居宅等で保育する施設や保育者の通称。入園には自治体への申し込みが必要で、費用は認可保育園とほぼ同等。
(※2)国の基準で作られた保育園。入園の際は自治体に申し込みをする。

 

一日のスケジュール

6:30 家族みんなで起床 食事、支度
7:50 車に乗りみんなで出発 → 夫だけ駅で先に下車
8:00 保育園へ送る → 出勤
9:15 出社
16:30 退社
17:30 お迎え
18:00 食事、お風呂
21:00 寝かしつけ
21:15 洗濯
22:30 就寝
その後1時、4時に授乳……

やりくりテクニック
土日にはハンバーグの種や、煮物など野菜の下茹でなどをして、平日のために作り置いています。

 

ホッと一息
月1回のマッサージです。休みの日に夫に1~2時間子どもを見てもらいながらこれだけは通わせてもらっています。いい息抜きになっているので、これからもずっと続けていきたいですね。

▼ 他の記事一覧 ▼
Vol.1 ライター 真貝友香さん
Vol.2 テレビ番組ディレクター 木元菜々子さん
Vol.3 イラストレーター にわゆりさん
Vol.4 アートディレクター 渡邉有香さん
Vol.5 Webディレクター 守屋綾希さん
Vol.6 Webプロデューサー 小野梨奈さん
Vol.8 カメラマン 関戸聡子さん
Vol.9 ゲームデザイナー 高原佐緒理さん

profile

赤荻 瑞穂

子どもとママに向けて「育つこと」「働くこと」をテーマにした企画、記事、イベントを多く手掛けるフリーランスのライター及びディレクター。
フリーランスで働く女性のためのサイト「Rhythmoon」の編集メンバーでもある。

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