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注目企業のデザイン哲学 〜我つくる、ゆえに我あり〜 #3 アニメコンソーシアムジャパン 編

インターネット業界のデザイナーのキャリア形成に、一筋の光を。
キャリアを模索する上で、「何をつくるか」も大事ですが、「自分のデザインに対する考え方とマッチした会社で働けるか」ということが、より重要な時代になってきていると感じています。

そこで、本連載では、「何をつくっているか」ではなく、「何を考えてつくっているか」を、徹底的にインタビューして皆様にお届けしていきます。もし、転職や今後のキャリア形成について考えている方がいらっしゃいましたら、参考にしていただきますと幸いです。

第三回は、日本のアニメコンテンツを活用した、海外向けWebプラットフォームを展開する、アニメコンソーシアムジャパンの代表取締役・鵜之澤 伸さんと、サービス企画部門のシニアプロデューサー・寺本 秀雄さんのお二人にお話をお伺いしました。

取材・文:佐藤タカトシ(core words株式会社 CEO/Creative Director)

 

鵜之澤 伸(うのざわ・しん)
株式会社アニメコンソーシアムジャパン
代表取締役社長

1957年東京生まれ。81年株式会社バンダイ入社。
アニメのビデオパッケージ販売を手掛ける新規事業部署にて「機動警察パトレイバー」でOVA(オリジナルビデオアニメ)のビジネスモデルを確立し、アニメ市場の拡大に寄与する。
家庭用ゲームソフト販売部門に在任中に、アニメにおける海外市場での可能性を見出す。
バンダイナムコゲームス(現バンダイナムコエンターテイメント)代表取締役、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)会長を歴任。
2014年11月、株式会社アニメコンソーシアムジャパン設立。代表取締役社長に就任。


寺本 秀雄(てらもと・ひでお)
株式会社アニメコンソーシアムジャパン サービス企画部門 シニアプロデューサー

1971年生まれ、埼玉県出身。96年に株式会社ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)入社。家庭用ゲーム開発企画、アソシエイトプロデューサーとして数々のプロジェクトに携わり、ナムコ発売のPSP「リッジレーサーズ」(2004年)では全世界140万枚を記録。ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)との合弁会社(株)セリウスおよびDeNAとの合弁会社(株)BNDeNAでのネットサービスやソーシャルゲームアプリのプロデュースを経て、現在は(株)アニメコンソーシアムジャパンに所属。


 

■ アニメコンソーシアムジャパンという会社について教えてください。

(鵜之澤)日本のアニメ業界が集結して、海外でのプレゼンスを高めていく。その真ん中にいるのが私たちで、2014年11月に設立しました。株主には、バンダイナムコホールディングス、クールジャパン機構、アサツー ディ・ケイ、アニプレックスを始めとして東映アニメーション、サンライズといったアニメ制作会社や、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、といった原作を持っている出版社などが名を連ねています。「DAISUKI.net」という海外向けの動画配信サイトを現段階では運営していますが、今後は新しいサービス、プラットフォームを展開する予定です。日本アニメのファンは海外にも多く日本以上のユーザー数がいるとされていて、DAISUKI.netでは、世界240を超える国と地域に向けて配信しています。配信アニメの中には、なんと、南極でも見られる体制をとっている作品もあるほどです。

 

■ グローバルでのサービス展開において、必要となることは何でしょうか。

(鵜之澤)今後は、プラットフォームビジネスを加速させていきたいと考えていて、そこで必要となるのは、Webサービスのテクノロジーと運営のノウハウ。謂わば、DeNAやグリー、リクルートといった会社が得意とされている領域です。私は以前、DeNAとの合弁会社の社長もやらせてもらったのですが、彼らの凄さを肌で感じました。ユーザーの動向を見ながら、分単位で改善を積み重ねていく。大規模なアクセスがあっても、全く動じないどころか、重いコンテンツを快適に提供するための改善を実現する技術力もある。これからはアニメというコンテンツをそのような技術・ノウハウを活用しながら世界中に提供していきたい。SNSのような機能をサービスに持たせてもいいと考えています。

 

 

■ DAISUKI.netの次に手がけるサービスは何ですか。

(寺本)海外向けに、英語で発信するアニメ情報メディアをオープンしました。日本のアニメの魅力を、世界中のユーザーに日本語以外で配信している公式メディアは、アニメ情報の絶対量に比べてまだまだ少ないと思います。このサービスを、アニメ業界の皆さんと本気で取り組んでいきたいと思っています。オフィスが東京にあって、クリエイターや権利元との距離が近い利点を活かして、ディープな記事をつくって配信していこうと。日本のクリエイターやスタジオがリスペクトされているのを肌で感じていて、例えば、海外のコンベンションでサイン会やトークショーを開催すると、ものすごく長蛇の列ができていることからも、ニーズは確実に存在しています。Webで日常的に情報を配信することで、もっともっと日本のアニメを好きになって欲しいと考えています。

新サービス“ANIME NOW!”

新サービス“ANIME NOW!”

 

■ 御社ならではの強みもありそうですね。

(寺本)DAISUKI.netですでに各国のユーザーの反応をつかんでいることが大きいです。例えば、「聖闘士星矢」は、実は、ブラジルですごく人気があり、配信開始の1時間くらい前から、サイトの訪問者が急増するんです。そういった定量的なデータも元にして、DAISUKI.netでは、あるゲームをロシアで展開したいとなったときには、先にロシアでアニメを見せたり、あるコミックをスペインで売りたいという場合だと、アニメの中にCMを入れたりと、あらゆる活用の方法が見えてきます。他方、情報メディアサービスではデータを活かしユーザーの熱量に応える記事を考える、といったことができます。この新しいサービスの認知度が高まることによって、新作のアニメやその周辺のゲームやグッズが世界に出て行く際に、「水先案内人」になれればいいなと考えています。いろいろな国のファンと繋がることで、このサービスの真価が発揮されるんですよ。

 

■ 現状は、どのような体制でメディアの準備を進めているのでしょうか。

(寺本)2016年に入ってから、本格的にチームが稼働し始めました。私がプロデューサーを務めているのですが、社内のスタッフは計5名です。外国籍のスタッフも在籍しています。社外のエディターやライターも、あらゆる国籍の方がいらっしゃって、混成でチームを組んでいきます。もちろん、全員が日本のアニメに強い想いを持つメンバーです。

(鵜之澤)来日する外国人には、アニメを通じて日本に興味を持って、日本語を覚えたという方がかなり多い。日本のアニメはそれほどの影響力を持っているんです。これは短い時間軸で成り立つ話ではなく、先人の積み重ねがあってこそだし、文化といっていいと思います。だからこそ、もっとアニメを海外の方に知ってもらいたいし、好きになってもらいたい。ひいては、日本という国のファンも増やすことにつながるでしょう。

 

 

■ 日本という国に対しても、影響を与える仕事ということですね。

(鵜之澤)この文化を守り、どうやって後世に伝えていけばいいのか。おじさんになると考えるんですよ。年のせいかとも思うんですけどね(笑)。最近は、国も応援してくれています。経産省のJ-LOP(ジャパン・コンテンツ ローカライズ&プロモーション支援助成金)という制度があります。日本のコンテンツを海外で展開するための助成金です。例えば、DAISUKI.netで配信しているアニメのローカライズ、つまり、字幕をつけたりする費用を半額負担してくれるんです。他にも、海外でのプロモーションとして、イベントを出展する際の費用に関しても、申請して受理されれば、補助が出ます。2013年から始まり、2016年度は実に60億円の予算が組まれています。官僚の皆さんもこの世界を知っている世代になった。意思決定している若手官僚が、アニメもゲームも文化として大事にするべきだという想いを持って、新しい施策を頼もしく実行してくれています。だからこそ、僕らも頑張らなくてはいけないということです。

 

■ では、最後に。御社の採用について聞かせてください。

(寺本)私たちは、作品の魅力を最大限に海外ファンに届けていくためのWebサービスとして、いいものをつくりたいと思っています。そのためにはUI、UXの工夫や、ユーザーの動向を見ながらの日々の改善が勝負になるのですが、そういったスキルを持った方が当社にはまだまだ足りない。海外のアニメファンには、生まれた時からインターネット環境が整っていた、若い世代もたくさんいますから、そのようなファンと同じ空気感を感じられる人と仕事がしたいですね。

(鵜之澤)ベンチャーっぽい会社にしたいので、ルールが決まっていない中での試行錯誤をやっていける人に来て欲しいですね。そして、やはり、日本のアイデンティティを扱う仕事でもあるので、それを守ることやより発展させることに興味を持っていただける人ですと、大きな仕事ができると思います。ぜひ、一緒に、日本の未来のために、頑張りましょう!

 

 

会社プロフィール

日本で放映される新作アニメのサイマル配信(日本と時差の無い形での配信)や過去作品の多言語配信に加え、アニメコンテンツの関連商品やデジタルコンテンツの販売を行うサイト「DAISUKI.net」をワールドワイドファンに向けて展開しています。
また、クールジャパン機構の支援を得ることで、海外に向けた日本アニメコンテンツ文化の発信やアニメファン拡大に取り組んでいます。

 
■ 社名  :株式会社アニメコンソーシアムジャパン
■ 所在地 :東京都港区芝五丁目37-8 バンダイナムコ未来研究所 7階
■ 設立  :2014年11月7日
■ 代表者 :代表取締役社長 鵜之澤 伸
■ 事業内容:日本のアニメコンテンツの海外向け動画配信やプラットフォーム事業やライツ事業を展開する
■ URL:
http://www.animeconsortium.jp/
http://www.daisuki.net/ (※日本からは一部機能は利用できません)

 

この求人に関するお問い合わせ

株式会社クリーク・アンド・リバー社
担当/吉田
Tel:03-4550-6195
Mail:shokai2@hq.cri.co.jp

sato_profile

佐藤 タカトシ

株式会社core words CEO兼クリエイティブディレクター

2001年4月、大手情報会社系の制作会社に入社。11年間に渡り、100社以上の採用ブランディング、採用コミュニケーションを支援。クリエイティブディレクターを務めたのち、2012年7月、DeNAに転職。採用チームに所属し、採用ブランディングをメインミッションとして活動。 2015年7月、採用ブランディング支援会社、core wordsを設立。東京大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科修了。

core words株式会社
http://www.corewords.jp/

個人Facebookページ
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