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Retty流 ユーザーHappyのつくりかたvol.1 品質向上の為のユーザー理解について

はじめまして。Rettyのデザイナー後藤紗也佳と申します!
弊社は”飲食店検索サービス”Rettyを運営しており(アプリとWeb)、「ユーザーHappy」を追求すべく日々開発を行っています。
2016年の3月末にスマートフォンWebサービスのリニューアルを行いました。「自分に合ったお店が見つかる体験」をさらに提供する為、私は当プロジェクトリーダーとしてPJ進行からユーザー体験の設計、デザインまで担当しました。

今回はRettyにて”ユーザーHappyを中心とした設計”をどのように行っているのか、ご紹介させていただきます。サービス開発に携わる方はもちろん、開発者以外の方にも、ユーザー体験をどのように設計しているのかを知れるきっかけになればと思います。
一回目のテーマは”ユーザーさんへの理解の深めかた”についてです。
最高の体験を提供する為には、まず相手のことを知らなくてはいけません。
行動を観察することによって、顧客の大切なことや、ニーズを理解して広い視野をもつことができます。チームメンバーで共通の認識をもつことができるという利点もあります。
その為にメンバーと日頃行っている5つのポイントをご紹介いたします。

 
 

1.品質向上の為に行うユーザーテスト


Rettyでは、設計前、途中、後にユーザーテストを行います。課題・ニーズを具体的に抽出し、品質向上の為の改善をどのように行えばいいのかを明確にすることが目的となります。
定量的評価で測定が目的の“総括的評価”、定性的評価で改善が目的の”形成的評価”の2つ評価方法がありますが、今回は”形成的評価”についてのポイントを説明します。

 
 

事前準備

まずはヒアリングの目的、ゴールを明確にし、テストの対象者を選定します。
テストの対象者は、ペルソナに似た属性に絞る為に”外食頻度、お店の探しかた”など、条件を策定し当てはまったユーザーさんにお願いしています。集め方は様々で、会員の方には個別にメッセージをお送りさせていただき、対話・電話・webでのアンケートをさせていただいています。非会員のユーザーさんが対象の場合は、知り合いに声をかけて紹介していただき、紹介していただいた方にも、条件に合致している知人がいたら紹介していただく。人から人へを繰り返し、徐々に輪を大きくして対象者を増やしています。テスト課題の設計はユーザーさんの利用行動から行い、必ず確認しておきたいポイントは質問項目を作成しておきます。異なる利用行動が発生する場合は、それぞれのテスト課題の設計を行う必要があります。その後、設定した流れで上手くユーザーテストを行えるかを、予め社内でロールプレイングを行うのがオススメです。流れを体験しておくと、本番がスムーズに進み、問題抽出の質も高まります。

 
 

本番

インタビューで重要なのは普段の状況をリアルな状態で聞き出せることです。それには、リラックスして会話が出来る空気感を作ることがポイント。
対象者が「答えなきゃ」と感じてしまうと、本音で回答できなくなってしまい、私達が求める情報が得られません。
そのための工夫として時間の30%ほどを使い、最初にアイスブレイクとして事前ヒアリングをします。「お仕事や休日の話し、普段使っているサービス」など、考えずに答えられる質問をします。これにより応えるという事に力が入らない状態で、メインの質問に入ることが出来るようになります。

プロダクトに対して評価をしていただく際の手法として、その場で感じたことをその都度発話してもらう”思考発話法”と終了後に質問を行う”回顧法”の2つがあります。
Rettyは飲食店検索サービスですので「美味しそう!」「行ってみたい!」など、感情をありのままに知りたい為、思考発話法をベースに確認できなかった項目は、回顧法で賄うようにしています。普段の状況をありのまま聞きだせることが重要になる為、ヒアリング対象者の方のタイプをみて、向いている手法を選択する場合もあります。

 
 

結果

ユーザーテストを行うことによって、得られる事は大きく2点です。
(1)仮説立てで見えていた課題・ニーズ以外の事を発見できる。
例えば、「私達はお店を決める際に写真を複数枚見てから納得しているが、1枚でも同じくらいの納得感を得られる場合がある」などの気づきポイントが幾つかありました。
(2)チームメンバーの認識が肌感覚で統一される。
ペルソナ・CJM・シナリオ等はもちろん言語化されていますが、ドキュメントから得られるものより、実際にメンバー全員で体感することによって共通認識の度合いが高まりました。

対面形式まで時間をとれない場合は下記の手法でヒアリングを行う場合もあります。
・電話、メールでユーザーさん・友人・知人にヒアリング
・サービスにアンケートを設置

ヒアリングは手間と時間がかかりますが、ユーザー理解の中で欠かせないフローであり、開発を大きく前進させます。
このヒアリング結果はワークモデル分析によって、ユーザーニーズの明示を行っていきます。
分析については次回詳細に書かせていただく予定です。

 
 

2.習慣化されたユーザーヒアリング

 
開発者全員が誰よりもユーザーさんを理解しようと考えています。
定期的に(1)のようなヒアリングは行っていますが、「お店はどのように探しているか」「何が決め手でお店を選んでいるか」など友人・知人からヒアリングできる機会は日常的にあります。
常に変化に敏感でいられるよう、普段からヒアリングする習慣が根付いています。

そして、ヒアリング結果を、チャットで共有するグループが存在します。
結果についてみんなで議論・深掘りを行い、常にユーザーさんの視点を意識しています。
尚、お問い合わせ内容もチャットグループに流れる為、開発者全員が目を通すことを徹底しています。

 
 

3.イベント機能を活用してユーザーさんと交流


Rettyにはオフ会などユーザーさん同士の交流を深めるためのイベントという機能があります。
この機能を活用して、Rettyメンバーが主催するイベントを定期的に開催しています。
ユーザーさんとお酒を交えながら、普段どのようにサービスを使われているのか、どこに満足してくださっていて、どこに不満を感じているのかなど、カジュアルに聞ける事が出来るため、普段のヒアリングでは聞き出せないようなリアルでコアな意見が得られます。

ここで得られたお話しは、開発者内に共有されプロダクトへ反映するかの議論を行います。

 
 

4.飲食店さんの課題を理解する


Rettyではカスタマーだけではなく、飲食店さんもユーザーさんです。飲食店さんの課題・ニーズも理解する事で結果、ユーザーHappyに繋がります。

まずは、営業の方々へヒアリングを行い、営業同行にて店舗さんのご意見をヒアリングしました。飲食店の販促費や競合他社のメニュー内容等を理解する為に、営業の方に授業を開催していただくなど、開発側も課題・ニーズを理解をする動きを心掛け、設計・要件定義に活かしています。

今後は開発側が営業の方々に、ユーザーさんの声や開発プロセスを共有する為に、ワークショップを開催予定です。

 
 

5.開発メンバーがヘビーユーザー


自分達がユーザーとなって、自社・他社のプロダクトを使い込むことでユーザーの気持ちを理解しています。ランチの時間になれば、社員はみんなRettyを見てお店を決めています笑
その為、社内では自然と「自分に合ったお店が見つかる体験」について議論が行われ、最高の体験を追求するよう心がけています。

以上、上記の取り組みを行い、日頃からユーザー理解を深めています。「こういうやり方もありますよ」「私達も同じ取り組みをしています」など、みなさんが行っている事例がありましたら是非教えていただきたいです!
次回は、ユーザーさんを理解したうえで「どのように分析を行い、課題・ニーズを明確にしているのか」について書かせていただく予定です。
次回も読んでいただけたら幸いです。引き続きよろしくお願いいたします!

 
 

後藤 紗也佳

Retty株式会社:Planner,Designer

2012年にistyleに入社し、化粧品CGMサービス@cosmeのクリエイティブディレクション、サービスデザインを担当。サービス運用・有料会員機能・スマホwebリニューアルなどに携わる。
2015年9月よりRetty株式会社に入社し、飲食店CGMサービスRettyのプランナー、サービスデザインを担当。
ユーザー体験を重視した設計を得意とし、最適な手法を追求・提案することに情熱をもっている。
一人でも多くの方にHappyを提供できるモノを創造したい。

Facebook:https://www.facebook.com/sayaka.goto.775

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