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「ドローンが変える映像クリエイティブの未来」~SSFF ドローンクリエイティブセミナー

ドローンの出現によって撮影不可能だった場所やアングルが撮影可能となり、映画・映像の現場やクリエイティブに大きな変化をもたらしています。
6月より開催している国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2016』では今後、映像業界に多大な影響をもたらすであろうドローンにフォーカスしたイベントを開催。世界最大級のドローン企業DJI JAPAN株式会社代表取締役の呉さんと同社のプロデューサー、パイロットがゲストに登場し、ショートショートフィルムフェスティバルからは代表の別所さんとLiLiCoさんも加わって、ドローンが映像に与える変化とこれからの可能性について語りました。

■空撮からプロレスの試合まで!?ドローンでこんなに撮影の幅が広がる

「ドローンを触ったことがある人はいますか?」というDJI JAPAN呉さんの問いかけに参加者の多くが挙手。ドローンは一般の方への普及のスピードも加速しているようです。ドローンの可能性はさまざまな分野で活用の期待が高まっていますが、映像というジャンルにおいては、たとえばバードビューなど人ではなかなか撮影できない角度や高度、また人が立ち入ることができない場所の撮影などに威力を発揮し、表現にどんどん幅が広がっています。
さまざまな映像作品には空撮シーンがたくさん出てきますが、普段私たちが何気なく見ているそんなシーンは、非常に危険が伴う撮影なのだとLiLiCoさんは言います。「ヘリコプターを使った空撮では、カメラマンはベルトをくくりつけて機体から身を乗り出して。それもすごく危ない恰好で撮影するんです。でも今やそれがドローンで実現出来てしまうんですね」。もはや空撮=ドローンと言っても過言ではなくなってきているなか、そのうちヘリコプター会社からクレームが来るのでは?という質問に呉さんは「実はすでにありました(笑)」と苦笑い。
20160605_D_0162_タレントたちとドローンでこんな映像を撮ってみたいと、別所さんとLiLiCoさんからいろんなアイデアが出ました。「海中の映像を見てみたい。あとは全編ドローンによるショートフィルムを作ってみたい」と別所さん。LiLiCoさんから「ラブコメなんて面白そう。カメラを主人公や相手の目線にすることで映像の世界により深く入れそうな気がします。あとはプロレスの試合中継(笑)!私、プロレスをやっているんですけど、試合の入場シーンをドローンに撮ってもらいたいー!!」というコメントに、会場はどっと沸きました。
呉さんは「実はドローン自体に価値は何もない。クリエイターが価値を与えるものなんです」と言います。つまりドローンはあくまでもツール。呉さんの会社では今後、もっとクリエイターを増やしていき、クリエイティブな発想を新しい開発につなげたいと話しました。それに対して別所さんは、フィルムメーカーやクリエイターがいろんな物語を紡ぎだしていかなければいけないと締めくくりました。

■ダイナミックな自然の息吹、モーターショーの迫力と熱狂…テクニック次第で迫力ある映像が誰でも撮れるようになる!

イベントの後半では、DJI JAPANのプロデューサー熊田さんと、パイロットの中村さんが登場、最初にDJI JAPAN製作の短編映画『あの日、桜に残した声を訪ねて』を上映し、作品のシーンの一部を解説いただきました。

桜と男女の再会をテーマにしたこの作品は、プロデューサー、ディレクター、パイロットの3名で撮影を行ったとのこと。桜の満開日を狙い、2時間という限られた時間の中での撮影でした。桜の美しさを引き出す、ドローンらしい表現についてプロデューサーの熊田さんは「地平線が抜ける引きの画がとれるところ」を挙げました。下から上、後ろから前へ、という動きがスムーズにとれるドローンなら、奥行きのある映像が作れるのです。また、満開の桜並木を高度を定めてブレずにいかに真っ直ぐ平行に飛ばすかに集中することで、流れがあり、抜け感のある景色を美しく撮ることができると教えていただきました。また、撮影には大小2台のドローンを使い分け、操作のしやすい小型タイプと、風に強い大型のものを、撮りたいものや、周囲の気候条件を確認しながら最適なドローンを選定することも重要なポイントなのだそうです。
20160605_D_0249_DJIスタッフロマンチックな桜の映像から一転して、次にモーターショーの迫力ある映像も上映されました。車を対象とした撮影では、地上と空撮のコンビで行うのが通常なのですが、ドローンなら寄りから空撮までを1台でこなせてしまうのが魅力。よりメリハリのある映像に仕上がるそうです。
ドローンらしい映像には、それ相当の撮影技術も必要です。その技術について、パイロットの中村さんは、「地道に練習するのみ」と言います。いかになめらかに、まっすぐ飛ばせるかという安定した機体のコントロール操作を練習しており、カメラワークをイメージしながら飛ばしていると言います。また、GPSなどの機能にばかり頼るのではなく、自らの腕で安定した飛行撮影ができるよう、腕を磨くことも大切なのだそうです。

基本的にドローンの操縦について免許は必要なく、ドローンを手に入れれば誰でも飛ばすことはできます。しかし問題はドローンの操縦技術。これまでにドローンの落下による被害がニュースで大々的に取り上げられたこともありました。ドローンのさらなる普及と発展には、パイロットの操縦技術の向上や、ドローンを使っていかに新しい表現方法を確立していくかを担うクリエイターの育成など、課題も見えてきた今回のドローンクリエイティブセミナー。それをクリアしていけば、その先には大きな可能性が広がっていると、期待感の高まるセミナーでした。

                (2016年6月24日 CREATIVE VILLAGE編集部)

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