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~飛躍するクリエイター~ 第44回 根岸 史人 音声

「これまでに辛かったこと? 仲間ともよくそういう話をするんですけど、辛かったことってないんですよね」。テレビの制作現場で音声として活躍している根岸史人は、自分を活かす術を知っている。モットーは”考えすぎないこと”。「現場では、直感で動くというか、あまり深く考えないように心がけています。そうしないと止まってしまうので。人も仕事もいいところも悪いところもあると思うんです。悪いところを見たら切りがないし。だからいいところしか見ない。僕はいいとこ取りしかしないんです」
 

■ 受からないわけがない

 音声としてテレビの現場に入って6年。音楽、バラエティ、情報番組にスポーツ中継などさまざまな番組に携わっています。スタジオ収録の情報バラエティを中心に、出演者にマイクをつけたり、観覧のお客さんの拍手や歓声を録るオーディエンスのマイクを立てるなどのスタジオのセッティングをするフロア音声として経験を積み、3、4年目から、副調整室(サブ)で音のレベルやバランスを調整するミキサーもやっています。
 高校3年生のとき進路相談会というのがあって、そこで放送系の専門学校があることを知りました。僕は昔から料理が好きで、将来は料理の道に進もうと考えていたんです。でもテレビも面白そうだなって思って、説明会のときにパンフレットをもらった日本工学院八王子専門学校の体験入学にひとりで参加しました。それで即決です。決めた理由はよくわからないんです。ただ僕は考え始めるとすごく悩んでしまうタイプなので、あえてパッと感じたままに動いたんだと思います。
 最初は制作(ディレクターやプロデューサー)志望でした。業界のことをまったく知らなかったので、テレビをつくるなら制作だろうと、技術系は頭にありませんでした。ですが、1年生の後期で音声にコース変更しました。入学して数カ月かけて全コースを回って、音声もカメラも、全部楽しそうだなって思っていた中で、なぜ音声を選んだのか。これもまたはっきりした理由がわからないんです。1年生の最初の作品制作で自分の企画が通ってディレクターもやらせてもらえたし、もちろん大変でしたけど楽しかった。先生との軽い立ち話で、「俺、制作と技術、どっちですかね?」って聞いたら「お前は技術向きだ」って言われたことはあったんですが……。動機やきっかけは未だ謎ですが、音声コースで学んでいく中で、音声って楽しい、音声としてやっていきたいと思うようになりました。
 就職は、2年生の7月の頭には今所属しているテイクシステムズに内定をいただき、幸運にも早くに決まりました。就職できるかどうかが一番心配だったのでうれしかったです。それが合格の理由かどうかはわからないですが、よく「落ちてもその会社とは縁がなかったって思えばいいよ」って言われますが、僕は受ける前からそんなふうに考えていたら絶対落ちるって思ったので、「受からないわけがない」って気持ちで面接に臨みました。
 

■ ちゃんと立っていられる人に

仕事がいやになったことはありません。辞めたいと思ったこともないです。最初はシステムも機材も全部初めてだし、その中で仕事を覚えなきゃいけないし 仕事がいやになったことはありません。辞めたいと思ったこともないです。最初はシステムも機材も全部初めてだし、その中で仕事を覚えなきゃいけないしっていうのはありましたけど。初めて現場についたとき、今は何もわからなくて戸惑ってばかりだけど、ここでちゃんと立っていられる人になりたいと思ったんです。今ですか? 大丈夫です。ちゃんと立っていると思います(笑)。
 今年の春から「ミュージックステーション」にミキサーのサブでついているんですが、テイクシステムズを志望したのは、「ミュージックステーション」にあこがれていたからでもあるんです。僕は音楽が好きで、高校生のときにライブハウスに通うようになり、日本工学院の卒業制作では好きだったアーティストに出演してもらい、満足感と達成感でいっぱいでした。それで音楽番組がやりたいと思うようになり、入社試験の面接でもそう言いましたし、会社に入って2年目から本当に「ミュージックステーション」のフロアに入らせてもらうことができました。現場で頑張り続けるためには、やりたいことを明確にするのが一番だと思います。新人に「何かやりたいことないの?」って聞いても答えが返ってこないことがあって。僕なんか「音楽やりたいです!」ってすぐ答えちゃってました。
 できるかどうかわからないけどやりたい、そのためには努力しなきゃいけないし、勉強もしなきゃいけない。しかもやってみたら、違うってことだってざらにあると思うんです。でもどんな経験だって全部糧になる。僕は最初スタジオメインでしたが、中継の仕事も増えてきて、やってみると中継も楽しいなって思いはじめた。何が楽しいかって、本質は同じですが、やっていることがスタジオと違ったからなんです。しかも中継の現場を経験したことで、スタジオの仕事のやり方も変わりました。逆にスタジオをやっていたから中継でできたこともあった。知らないことを知ること、小さいことでもできるようになること、その積み重ねです。だから僕はできなくて注意されることはイヤではなかったんです。それがためになるってわかっていたので。

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ミュージックステーション
テレビ朝日系にて毎週金曜日夜8時から放送中!
(ミキサーのサブとして参加)

 

■ 頼りにしているよ

 ミキサーをやり始めた頃は、バランスをとるだけで精一杯、出された指示に応えるのに必死でした。でもそのうちに、番組にふぁっと入れるようになってから音声の楽しさを感じられるようになりました。
 これまでやってきた中で、「頼りにしてるよ」って言葉は大きかったですね、どんな人に言われても。期待に応えられた、役割を果たせたうれしさが、仕事の楽しさにつながる。だから僕は、後輩がやり方を変えてきたときに、「あ、こうするようにしたんだ。俺はいいと思うけどね」とか、小さなことですけど伝えるようにしています。僕もそうやって育ててもらいましたから。周りに恵まれていたっていうのは絶対的にあるんですが、ただ僕は人間関係で辞めるっていうのは無しだって考えなんです。合わない人って絶対いると思うし、その人のためになぜ自分が辞めないといけないのって思っていましたから。
 音楽番組も情報バラエティも、スタジオで成立していることが放送で成立してないなんて絶対にダメですから。話している声や音がちゃんと聞こえて視聴者の人にストレスなく見てもらえるのがベストだし、ただ討論などでワーッとなったとき、誰かしらその中で仕切る人が出てくると、ひとり一人の言葉をきちんと伝えつつ、仕切る人も際立たせないといけない。スタジオでおこっていることをちゃんと放送でも再現するために、こうすればもっとよくなるっていうアイデアがいくつもあるんです。そういった自分なりのプランにもこれからは積極的にチャレンジしていきたいと思っています。

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さまぁ~ず×さまぁ~ず
テレビ朝日系にて毎週木曜深夜2時21分より放送中!
(※一部地域のぞく)
(ミキサーとして参加)

 

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info@c-place.ne.jp

 

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根岸 史人(ねぎし・ふみひと)

音声
1989年埼玉県生まれ。高校卒業後、2007年日本工学院八王子専門学校クリエイターズカレッジ 放送・映画科に入学。2009年にテイクシステムズに入社。音声グループ所属し、「ミュージックステーション」「さまぁ~ず×さまぁ~ず」「ミラクルレシピ」(テレビ朝日)ほか、情報、バラエティ、スポーツ番組などさまざまな番組に携わる。

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